2020年06月

西野皓三│脳と腸②

「脳」は「腸」から生まれた② 脳から腸が生まれたこの事実は、実はかなり前から分かっていたことでした。 既成概念というのは恐ろしいものです。 「脳は最高の器官である」という思い込みが強烈に働いていたために、現実のヒトの脳と…

西野皓三│脳と腸①

「脳」は「腸」から生まれた① 腸と脳の関係を知るうえで、最も重要な手掛かりとなるのが、ヒドラという原始的な動物です。 ヒドラは地球上のあらゆる動物の原点ともいうべきもので、今をサカノボル5億年前に誕生した腔腸動物です。ヒ…

西野皓三│好き・嫌いは臓器!

臓器が「好き・嫌い」を決める われわれの判断力の源泉となる腸管内臓系から発した「快・不快」の情動は、「扁桃核」という脳の器官に大いに関係があるのです。 扁桃核に関しては、まだまだ研究が端緒についたばかりで、分かっていない…

西野皓三│文明は自己愛から②

文明は「自己愛」から生まれた② 「このままでは生きていけない。食べていけない」という庶民の本能的な欲求があったからこそ、革命は成功したのです。生存への衝動が、世の中を変え、民主主義を生み出したといっても、けっして過言では…

西野皓三│文明は自己愛から①

文明は「自己愛」から生まれた① 人間の場合も利己を突き詰めていけば、やはり利他に通じます。 しょせん自分を愛せないような人は、他人も愛せないでしょうか。 現実的に見ても、たった一人で努力したところで、人間の力には限界があ…

西野皓三│命を尊ぶから利他が

自分の命を尊ぶから、利他が生まれる 決断を下すうえで、われわれが頼りにしているのは、どちらを選ぶか」「どちらが好きか」という基準です。いかに高尚な形而上学的な思考であっても、その基盤にはかならず情動、つまり「生物としての…

西野皓三│原始感覚が理性を

原始感覚が“理性”を作る 情動とは、分かりやすく言えば喜怒哀楽のことですが、その源泉となるのが「快・不快」「好き・嫌い」という感覚です。 どんな動物においても、その最大にして唯一のテーマは「いかに生き延びるか」ということ…

西野皓三│人工知能できない②

なぜ、人工知能は実現しないのか② それだけ膨大な情報を記憶でき、天文学的な確立計算を瞬時に解けても、あらかじめ答えが決まってない、現実のさまざまな問題を自由に思考したり、独創的なアイディアを生み出す人工知能は今もって生ま…

西野皓三│人工知能できない①

なぜ、人工知能は実現しないのか① 人の脳、その中でも一番外側にある大脳新皮質こそが、人間の知性の対象であると言われています。それは他のあらゆる動物と比べ、ヒトの大脳新皮質が、その質と量において、群を抜いているからです。 …

西野皓三│“身体知”の知恵

生きがいを創る“身体知”の知恵 「腸管内臓系」は単に消化・吸収の働きをするだけのものではありません。「腸管内臓系」は、人間の知性にとって不可欠な「情動」のでもあります。 「情動」とは、本能に基づいた、根源的な生の衝動、感…
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