2020年10月

古歩道│優遇税制と薬価差益②

医師優遇税制の誕生と薬価差益② 医者(病院)が兼業して薬も患者に出すとすれば、どうだろうか。使用する銘柄、量、種類をすべて医者が決定するのだ。製薬メーカーにすれば病院と専属契約できれば自社製品を独占販売できる。そこで先の…

古歩道│優遇税制と薬価差益①

医師優遇税制の誕生と薬価差益① まず、1954年に導入された医師優遇制度は、医者(開業医)の全収入の7割を経費と認め、課税対象は残り3割だけでいいというものだ。ただでさえ税収が少ない時代である。 大蔵省は猛烈に反発し、国…

古歩道│医師会は軍医組織②

医師会のルーツは大日本帝国の軍医組織② こうして地ならしが終わったところで次のステップとなる。 日本医師会の登場である。敗戦から2年後の1947年、GHQの指導、つまりサンダースの指導で再編された日本医師会の役割は、まず…

古歩道│医師会は軍医組織①

医師会のルーツは大日本帝国の軍医組織① 新生した日本医師会の目的は、戦後日本を徹底的に欧米型医療へ改変することだった。 前章でも紹介したが、明治維新後、日本は医療ギルド、とくにドイツ医学界ギルドの傘下に入った。しかし、も…

古歩道│西洋医療へ体制変更②

西洋医療オンリーへの体制変更② 西洋医の数も明治維新後、2万人からスタートして(おそらく蘭方医であろう)、太平洋戦争直前、医師急増政策で6万5000人まで拡大するものの、70年間で3倍強にしか増えなかった。それが戦後60…

古歩道│西洋医療へ体制変更①

西洋医療オンリーへの体制変更① 昔の日本の医療事情について質問した際、本書担当編集者が興味深い話をした。 「私が小学生になったころですから、1970年代前後ですか、そのころから風邪でも親が『病院に行け』というようになった…

古歩道│日本医師会②

日本の医療を「殺した」犯人② 医師会はここからして違うのだ。ボスの命令に一糸乱れぬ組織力を誇っている。上意下達が徹底され、医師会の会長の命令を忠実に実行する。その意味では「日教組」(日本教職員組合)のような労働組合に近い…

古歩道│日本医師会①

日本の医療を「殺した」犯人① 日本医師会。実に奇妙な組織である。 どんな組織なのかは誰でも知っている。読んで字の如し。医師たちの親睦団体である。もう少し正確にいえば「開業医」の団体で、民間病院の医院長やオーナーである「開…

古歩道│日本の医療ギルド②

それでも戦前までは日本の医療ギルドはまだよかった② 結果的に庶民の医療は、相変わらず江戸時代から続く漢方、鍼灸、整体、薬草や民間療法で賄われ、昭和中期、1950年代まで「庶民の医療」として機能していく。その意味では、医療…

古歩道│日本の医療ギルド①

それでも戦前までは日本の医療ギルドはまだよかった① 確かに日本の医療界は、欧米の医療ギルドに支配されることで、日本最大の医原病ともいうべき「脚気禍」で、延べ200万人以上を亡くならせた。 しかし、奴隷に身をやつしながら、…
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