2021年10月

言霊百神│禊祓(一)⑪

絶えず新たなものを生み出し、喰(は)み出させて分離して行こうとする妻神の世界の内容を絶えず生命の自覚内容として摂取抱擁して行くことが夫神の神業である。たとえ一見この世界の阿弥陀如来の摂取不捨の浄土が完成してもくえなる女人…

言霊百神│禊祓(一)⑩

前回に説いた如く黄泉比良坂に於て事戸(絶妻の誓)を渡して離別した姿である岐美二神が、此の段になると伊邪那岐大神として再び二者共同の活動をすると云うことは一見大きな矛盾である如くに感ぜられるが、この矛盾が意義深いところであ…

言霊百神│禊祓(一)⑨

是を以て伊邪那岐大神(の)詔りたまわく 吾は伊那志古米岐(いなしこめしこめき)穢き国に到りて在りけり、 かれ(故、)吾は御身の祓せ(為)なとのりたまひて 此処に伊邪那岐大神と云う言葉が初めて出て来たことに注意する必要があ…

言霊百神│禊祓(一)⑧

此の人類の過去からの最大の遺産である布斗麻邇(摩尼宝珠)を鏡として文明を完成し経営して行く操作を仏教では菩薩行と云い、特に普賢菩薩行と云う。禊祓はその菩薩行、普賢行の典型であり、指導原理であり、その行のための恒常不変の定…

言霊百神│禊祓(一)⑦

その人類の思惟を全一としてまとめる最高の道法すなわち道の鏡であるのが布斗麻邇である。また逆に云えば布斗麻邇は人間の思惟がそれを以て構成され、其処から出て来る思惟の原素であり根拠である。この布斗麻邇は誰か個人が一人で考えた…

言霊百神│禊祓(一)⑥

世界の文明は人間の思惟によってまとめて行く以外にはまとめる方法がない。その時それをまとめる思惟自体の統覚の上に立ち、先天を根拠として全体としてまとまっていなければ、世界を全一としてまとめることが出来ない。だが人間個人が独…

言霊百神│禊祓(一)⑤

然しその高天原の結界の外に於ては黄泉国の渾沌が元のままの状態で蠢き、ざわめき、ひしめいている。すなわち其処には嘗て伊邪那岐命が経験して来た物事、見聞きした主義思想、出会った人物の魂等々の内容が依然として雑然未整理のままに…

言霊百神│禊祓(一)④

この時、伊邪那岐命が帰って来た高天原は、然しながら初地の宗教修行者である辟支仏(独覚者)が経験する無垢清浄な無碍光、無量寿光の漲った全一の宇宙(天之御中主神)と云うだけのものではなくして、この高天原は黄泉国に赴く以前に於…

言霊百神│禊祓(一)③

以上のことをも一度、宗教的実践の上から繰返して説いてみよう。前回で述べた如く十拳剣を後手に振りながら渾沌、未組織の自他未剖の黄泉国の内容を一つ一つ刻銘に判断否定する禅の所謂「無字」の修練を積んだ時、最後にその従前の自己に…

言霊百神│禊祓(一)②

伊邪那岐命は黄泉国に赴く以前に於て、闇淤加美神、闇御津羽神までのところで、精神的法界の全内容としての言霊の整理を行って言葉の原理として把握表現された道を完成したが、黄泉国から帰った後、今度は自己内景ではなく、その自己主観…
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