島田正路の言霊:次元の相違と父韻

 商人と学者が、または学者と芸術家が、社会的な事件などについて口角泡をとばして議論をしている光景を時々見かけます。いつまで経っても意見はすれ違ってしまい、まとまることがありません。これはどちらかが正しくて一方が間違っているためというよりか、双方の意見のよってたつ次元が異なるための場合が多いようです。商人はウ言霊の次元に、学者はオ次元に、芸術家はア次元に、立っていて、お互いに相手の立つ次元を理解しかねているのです。このように、住む母音の次元を異にしますと、考え方がそして使用する言葉自体が、違ってきます。この相違を言霊から見るとどういうことになるのでしょうか。住む母音の世界が異なりますと同時にその意見の発想目的ばかりでなく議論の進め方まで違ってきます。この場合発想の根源は母音に、目的は半母音に、あたります。そして発想から目的に至る経過が懸け橋である八父韻で現わされます。母音に働きかけて現象を生む人間創造意志がどのような韻律の順序で発動されるかによって現わされるのです。そして母音の各次元にはそれぞれ特有の父韻の配列をもって表される目的追求の方法のリズムが備わっています。その内容の詳しい説明は後に譲ることとして、その次元特有のリズムである父韻の配列を書きますと、次のようになります。
 ウ 欲望の次元 キシチニヒミイリ
 オ 経験知次元 キチミヒシニイリ
 ア 感情の次元 チキリヒシニイミ
 エ 選択の次元 チキミヒリニイシ