言霊百神│禊祓(二)⑥ 来名戸のクナは九十七と云う数である。一切種智の総数の四十八を更に陰と陽に取った二倍の九十六数の全体を一者とした第九十七番と云う意味である。それはまた後述する「古事記百神」の結論である三貴子の三数を全体の百から差引いた九十…続きを読む
言霊百神│禊祓(二)⑤ 衝立船戸神(つきたつふなどのかみ)の衝立は斎き立つであり、船戸の船は葉子国(はねのくに)の浮船神と云われ、伊勢神宮の御船代(みふなしろ)として祭られる五十音言霊図のことであり、或いは仏教の大乗の船でもあり、キリスト教のノ…続きを読む
言霊百神│禊祓(二)④ アオウエイの最後のイの意義が明らかになる時、キシチニヒミイリの八相識別の根拠が捕(つか)めて、やがて実相三十二子音が明らかになる。この意義を説いたのが『法華経』の「唯物与仏、乃能究尽、諸法実相」と云うことである。斯くて法…続きを読む
言霊百神│禊祓(二)③ 統覚は一旦これを確立すれば、その内容と活用の面が次々と拡大され精密化されて来る。すなわち拄杖子の把持者には更に拄杖子が与えられることとなる。すなわち天之尾羽張の剣である。キリスト教『聖書』に「汝ら聴くことに心せよ…それ有…続きを読む
言霊百神│禊祓(二)② 御杖とは人間の魂の憑(依)代と云うことの象徴である。本講義は今まで此の魂の依り代についての各部面に関して説いて来た。復習になろうが、「天之御柱、国之御柱」と云う時は「一心の霊台、諸神変通の本基」(『神道五部書』山崎闇斎記…続きを読む
言霊百神│禊祓(二)① かれ(故、)投げ棄(う)つる御杖(みつえ)に成りませる神の名は(、)衝立船戸神 禊祓には二段階の操作がある。前段は身削ぎ払霊であり、後段は霊注ぎ張霊である。前者は消極面、後者は積極面の操作である。禊祓は伊邪那美神の内容で…続きを読む
言霊百神│禊祓(一)⑯ 禊祓は他者を救う道である。世界の不完全を整理する身削ぎ払霊いの道であると共に、これに生命あらしめる霊注ぎ張霊の道である。既に自己救済を終了して無垢清浄な高天原に住し、その高天原の内容の麻邇を把握した境涯に立つ者が進んで全…続きを読む
言霊百神│禊祓(一)⑮ ここで既に納得して頂いているわけであるが、重ねて蛇足を添えて置こう。神道の禊祓は自己の魂の救われとか安心などと云うような自己の為にする小乗的な心証、所得を求めようとする有漏の行ではない。すなわち哲学的に云うならばan-s…続きを読む
言霊百神│禊祓(一)⑭ 阿波岐原は現(阿)らわにされた言葉(波)の気(岐)の展開(原)と云うことである。アハギは元来アワイヰ(粟飯)である。五十音図の四隅にはこの四つの音が位している。そのイヰが詰まってキ(岐)となったのである。アワイヰの四音を…続きを読む
言霊百神│禊祓(一)⑬ 竺紫(つくし)の日向の橘の小門(をど)の阿波岐原(あわぎはら)にいでまして(、) 禊(ぎ)祓ひたまひき これは禊祓を行う形而上の場所であり、その立地である。竺紫は心を尽くし身を尽くすと云う意味の尽くしであって、法界の全内…続きを読む