言霊

言霊百神|開闢(中今の意義)⑧

身を隠したまいき 現象としての存在でないこと、現象として姿を現さぬ事である。たとえば吾と云うものの夫々の現象は存在するが、その吾そのものは現象することがないこと。たま例えば歴史と云うものの種々の相は存在するが、歴史自体を…

言霊百神|開闢(中今の意義)⑦

独神(ひとりがみ) 独神とはそれ自体で宇宙全体を占有し、偏在する実在を云う。その占有する一つの宇宙を次元と云う。宇宙は連続的な時間空間の拡がりであると共に、その時間空間が連続していない不連続の次元の重畳である。大宇宙の中…

言霊百神|開闢(中今の意義)⑥

高御産巣日神(たかみむすびのかみ)【言霊ア】 神産巣日神(かみむすびのかみ)【言霊ワ】 カミムスビとは噛み合わされて結ばれること。この作用で言葉も物体も生まれて来る。高御産巣日のタという接頭語は音義としてはタと云う陽性の…

言霊百神|開闢(中今の意義)⑤

⦿天之御中主神 然らば何故にこの「中今」の自覚態が言霊ウであるかと云うと、ウ音は人間が発する最初の言葉であるから、その音と精神内容とを合わせてあるものである。言葉と心を合わせるとことを「裏合へまかなはす」と云う。裏は心で…

言霊百神|開闢(中今の意義)④

天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)【言霊ウ】 天地のはあじめの宇宙の時間空間及び次元の中心、すなわち「中今」の直接的な知覚体を云う。『易』で云う「太極」のことであり、宇宙がその姿を現す最初の様相であり、我なるものの自…

言霊百神|開闢(中今の意義)③

成りませる神の名(みな)は 「なる」と云う大和言葉は成、熟、生、鳴等の義に解せられる。漢字が輸入された後、聖徳太子はこの様にして五十音神代仮名表音文字に漢字の榜(ふりがな)を附して、その意義を限局して顕わした。『古事記』…

言霊百神|開闢(中今の意義)②

高天原 ここでは精神界、法界、または本体界と云うほどの意味に取ったらよい。この言葉は用いる時と所によって夫々多少の意義の相違がある。一塵も止めぬ清浄無垢な「空」と言われる全大宇宙の境涯即世界、及びその「空」の内容である実…

言霊百神|開闢(中今の意義)①

天地はじめ(初発)の時 天地は今此処で絶えず開闢しつつある。『古事記』が説く「天地(あめつち)のはじめ」とは天文学や生物学の歴史の上に観念で取り扱うところの事物の初めを云っているのではない。『古事記』「神代巻」は必ずしも…

言霊百神|はしがき追記②

繰り返し述べるが、もとより本書が完全なものであるわけがない。何故なら概念や比喩を以て完全に摩邇を説明する事は不可能であって、完全なものは布斗麻邇五十音そのものであるからである。斯うして概念や比喩や行道を以て五十音を釈くこ…

言霊百神|はしがき追記①

『言霊百神 古事記解義』のプリントは昭和39年一先ず完成して、幾冊かを知人に頒布したが、これと云う反響は起こらなかった。40年の夏、神道天行居の井上俊治氏がこれを読んで感激して下さった。同氏は同年秋出版した『第三文明への…
2024年4月
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