スタッフブログ

古歩道│医療ギルド③

ギルドという国境なき職能騎士団③ このギルドは秘密結社で名高いフリーメイソンにまで遡ることができるだろう。フリーメイソンは「石工ギルド」で、腕のいい石工は、国境を越えて活動する。フリーメイソンが、ある意味、その国の法に縛…

古歩道│医療ギルド②

ギルドという国境なき職能騎士団② ギルドは、日本語で「職能集団」と訳されることが多い。そのため日本で発達した同業組合である「座」や「株仲間」のようなイメージ、つまり、同じ商売をしている人間が集まり、組織力を使って「権限」…

古歩道│医療ギルド①

ギルドという国境なき職能騎士団① 西洋医学の世界は、「医療ギルド」によって成り立っている。その最たるものが「軍医」であろう。この章の最初に、西洋医学が「軍事技術」として発展した戦場医学だと述べた。そのシンボルが「軍医制度…

古歩道│なぜ、ドイツ医学界?②

なぜ、ドイツ医学界だったのか?② だとしても、「蘭学」をベースにしない理由にはならない。 前述したように日本はオランダ医学を2世紀にわたって培ってきた。蘭方医たちはオランダ語に精通し、オランダの医学書、訳本を本国の医師た…

古歩道│なぜ、ドイツ医学界?①

なぜ、ドイツ医学界だったのか?① 明治期になると日本の医学は、ドイツ一色となった。実際、カルテやクランケなど日本の医学用語の多くはドイツ語由来で、現在でも医学部ではドイツ語取得は必須となっている。担当編集者も「1990年…

古歩道│ドイツ医学界②

脚気を細菌由来と見誤ったコッホ② ドイツ医学界が、当時、世界最高レベルといっても、「脚気」は日本の社会制度が生み出した病気で、欧米人は見たことも聞いたこともなかった。だから病状だけ見て安易に「伝染病」と考えた。心臓にダメ…

古歩道│ドイツ医学界①

脚気を細菌由来と見誤ったコッホ① 日本の軍医はレベルが異常に低かった、というわけではない。 実は明治維新後、国際社会にデビューした近代日本で、最も「欧米」に近い技術水準にあったのが医学だった。 事実、明治維新から20年過…

古歩道│戦争の敵は脚気②

日露戦争での最大の敵は脚気だった。② 江戸時代、すでに脚気の原因は白米食にあり、麦飯などが有効ということは経験則上、わかっていた。ならば3度の食事のうち、1食を麦飯にするなど対処法はあっただろう。とくにわからないのは軍隊…

古歩道│戦争の敵は脚気①

日露戦争での最大の敵は脚気だった。① 江戸で脚気が蔓延していたのは、社会システムに原因があった。幕府のお膝元である江戸は白米の一大消費地で、江戸在住の武士たちは俸給とは別に米を現物支給でもらっていた。「食い扶持」の扶持は…

古歩道│日本人と脚気②

日本人は戦後も脚気に苦しんだ② 実際、旧日本軍では1日6合から7合、ご飯12杯から14杯が基準で、炭鉱労働などきつい肉体労働などでは「一升飯」(10合)を掲げて求人していた。だいたい1日6合というのが成人男性の「お腹いっ…
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