言霊百神│禊祓(二)⑲

疎神は疎け隔てる原理。那芸佐毘古は雉き続ける原理。 甲斐弁羅神は間を減らす原理で、甲斐は山と山との間の狭のこと。中間のどっちともつかずの言葉や思想を減らすこと。奥、奥津のオキは沖、起で陽性音。辺、辺津は陰性音。すなわち「左の御手の手纏」は音図の向かって右の陽性音、すなわちタカサハの続きであり、「右の御手の手纏」は向かって左の陰性音、すなわちヤマラナの続きである。このことを科学の上で云うならば元素の周期律を確定するために同素体を整理して行く操作のような事だろう。
以上はもとより充分につくし得た解釈とは云えないけれども、世界の渾沌未整理の思想を整理する方法である禊祓の前段の身削ぎ払霊としての意義の大要を述べた。繰返すが禊祓は自己の救済しようとする者の小乗の道ではない。況んや従来の一派の神道者が神に到達しようとする物欲しさから河海に水浴する如き児戯、狂態を演ずる如き行道などではない。

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