2021年02月

言霊百神│大行②

宇宙の森羅万象を色相として云うならば眼に焼き付くような事実そのものである。事実は実在と識の産霊(むすび)によって生ずる。一つの事実は誰にとっても同一の事実でなければならないのだが、然し多趣多様な世界の事実はその要素が錯雑…

言霊百神│大行①

ここに伊邪那岐命(イ)、伊邪那美命(ヰ)が先天の全内容である「天津神諸の命」を携えて、後天としての生命の具象的顕現、すなわち神話的に云う宇宙創造の、『易』の所謂「大行」が開始される。然し大行と云っても此処はまだ高天原神界…

言霊百神│天津磐境⑩

天津磐境は斯くの如く『易』の太極構造や仏説の多宝仏と同意義のものであり、人類の先天性の全内容である「天津神諸の命」の体系である。それは文明創造の素材であり物理学で云えば素粒子と電子に当るものであると共に、その内容は事物の…

言霊百神│天津磐境⑨

あらゆる宗教の教義行道、すべての哲学の理論が正しいか否かを批判する根拠は、それを人間性の全局に即して鑑みて妥当であるか否かを調べることにある。その人間性に対する妥当性が由来する所は後天的な社会契約や、国家権力の強要強制で…

言霊百神│天津磐境⑧

釈迦が日本に留学したのは伏羲来朝の暫く後、老子、孔子と略同時代で、葺不合朝七十代神心伝物部建天皇(ふきあえずちょうななじゅうだいかんこころつとふものべたてすめらみこと)の御宇と伝えられている。釈迦も伏羲と同じく神道の原理…

言霊百神│天津磐境⑦

歴史を説くことは本講の目的ではないが、『竹内文献』によると大陸から伏羲氏が来朝して神道の伝授を受け、これを『易』(天津金木)として彼地に伝えたのは鵜草葺不合朝五十八代御中幸玉天皇(うがやふきあえずちょうごじゅうはちだいみ…

言霊百神│天津磐境⑥

「吾は(即ち)天津神籬(あまつひもろぎ)及び天津磐境(あまついわさか)を起し樹てて、まさに吾孫の為に斎ひ奉らん」(『日本書紀』)。先天十七神すなわち天名である十七言霊すなわち「天津神諸の命」の体系を天津磐境と云う。磐境は…

言霊百神│天津磐境⑤

社会国家世界の文明は人類の創造活動の最終段階であって、これを最初の先天から数える時、第三次的なものであるから「孫」に当る。第一次は「名もなく業もない」宇宙大自然の渾沌世界である。第二次はその全宇宙の内容を淤能碁呂島(おの…

言霊百神│天津磐境④

しかし斯く云うからと云ってもとより筆者は西欧の学問を一概に貶そうと云う無内容狭量な日本主義者でもなければ、観念的独善の孤立した神道家などでないが、神道布斗麻邇は先ず冒頭に「天津神諸(あまつかみもろもろ)の命」として完全に…

言霊百神│天津磐境③

斯の如く東洋の哲学宗教と西洋哲学とは方向性が相反するところのものである。前者は演繹の道であり、後者は帰納の努力である。カントは思惟の形式としての十二の範疇を立てて「認識の形式の根拠は純粋主観であって、それは先験的統覚」で…
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