言霊百神│天津磐境④

しかし斯く云うからと云ってもとより筆者は西欧の学問を一概に貶そうと云う無内容狭量な日本主義者でもなければ、観念的独善の孤立した神道家などでないが、神道布斗麻邇は先ず冒頭に「天津神諸(あまつかみもろもろ)の命」として完全に精錬整理された先天の全内容を奉斎把持し、その先天を操作して人類がすべての世界像を創造し、社会を運営して行く上の典型的な道である。斯の如く先天に基づく創造産霊、文明経営の道を一貫して「言の葉の誠の道」と云う。それは人間の言葉として、すなわちその言葉となる原音として先天の全内容を把持し、その言語の活用組合わせによって人間の精神活動を表現し、そしてその自己むずからが先天に基づいて自己を規範する言葉を運用し組織することによって社会、国家、世界を経営して行くところの、万世一系と云われる一筋の純一無雑な言葉(ロゴス)の道である。
繰り返して云えばこの道は人間に現れた「天」すなわち先天(先験)をまず十七の父母音である天名として把握し、次にその天名を組合わせて第二次的な真奈(真名)と云う言語五十音に展開し、その第二次的の言語の道理を更に第三次的に国家社会の法として行く道である。

2024年5月
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