2021年09月

言霊百神│禊祓(一)①

伊邪那岐命は情熱の赴くままに黄泉国の言語、文字、思想を研究したが、それ等に追撃されて自分の本拠の高天原の純精神の世界に還って来た。そこで改めて自己本来の生命を自覚の上に立って、今まで経験して来た外国思想の整理と組織を行う…

言霊百神│ヨブ記⑨

然し今日は既にこれを登る道、登る方法が開示されているのであるから、撓まず登る努力を続けさえすれば、無上正覚と仏教で云われる山頂に到り得ることが可能である。この意味で引続き思いを凝らし筆を呵して行く。既に研究されてあるもの…

言霊百神│ヨブ記⑧

神道的次元の段階を究めようすることは富士山に登るようなもので、次元が高まるに従って視野が開けて行くと共に道は益々峻しくなって行く。その頂上は今日まで日本歴史の上では二千年間天之岩戸の暗中に没し、東洋歴史の上では三千年間入…

言霊百神│ヨブ記⑦

「言霊百神」の系列は単に平面的にずらりと並んでいるだけのものではなく、立体的な積み重なりである。またその積み重なりの一つの段階の内容を総合したところが次の段階の出発であるような次元的重畳である。だから途中から一つ二つの神…

言霊百神│ヨブ記⑥

ついでに申し添えたい事がある。『日本書紀』一書の本文でない「註」の部分に「或いは所謂泉津平坂とは、復た別に処所あるにあらす、但だ死るに臨んで気絶ゆる際、是を謂ふか」という一文がある。これは全く「記紀」の真義を弁えない者の…

言霊百神│ヨブ記⑤

岐美二神の離婚状態はこの時に始まって、その期間は今日に到るまで実に悠久五千年以上に亘っている。然しこれは永劫の離婚ではなく、やがて伊邪那美命の使命である黄泉国の文明が完成される時、いずれ二神が蓬莱の島台の上に友白髪の高砂…

言霊百神│ヨブ記④

盟(うけ)ひて曰はく、族(うから)離(はな)れなむ。又曰はく、族負けじ…(『日本書紀』) 族離れなむは「私達は夫婦別れをしましょう」と云う絶妻之誓(うけ)いであり、族負けじは「千頭絞(くび)り殺さむ」「千五百産屋立てむ」…

言霊百神│ヨブ記③

「ヨブ記」と「記紀」とは何故にこのように一致するのであろう。このほか前述した如く参宿、昴宿、北斗等の星座の名とその操作について「ヨブ記」は述べてるが(『旧約聖書』「ヨブ記」第三十八章)、これ等の星座のたたずまいによって母…

言霊百神│ヨブ記②

「ヨブ記」のこの数節と「記紀」の黄泉比良坂の記事と比べる時、両者は全く同一の事柄を述べているものであることが肯づかれる。伊邪那美命の後継者である須佐之男命は海原を治(し)らす神であって、黄泉軍はその海原の潮の氾濫に譬える…

言霊百神│ヨブ記①

この様に千引石をもって中枢である高天原を結界して、雷よ、黄泉軍よ来る勿(な)と止めた「記紀」の記録を読んだ時に、これに関連して思い出されるのは『旧約聖書』「ヨブ記」の左の数節である。「海の水ながれ出でて、胎内より湧いでし…
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