言霊百神│ヨブ記②

「ヨブ記」のこの数節と「記紀」の黄泉比良坂の記事と比べる時、両者は全く同一の事柄を述べているものであることが肯づかれる。伊邪那美命の後継者である須佐之男命は海原を治(し)らす神であって、黄泉軍はその海原の潮の氾濫に譬えることが出来る。「雲をもて之が衣服となし」とは子音のことであり、「暗闇をもて之が襁褓となし」とは母音および父韻のことである。それは暗黒の隠神(かくりがみ)であり、幼稚な魂の衣(むつぎ)である。「関および門を設けて」とは結界、千引石のことである。「エデンの園の東にケルビムと自づから旋転る焔の剣を置きて生命の樹の途を保守りたまふ」(『旧約聖書』「創世記」第三章)とあるところのものである。「此までは来たるべし、此を越ゆべからす、汝の高波ここに止まるべし」とは「雷よ来るな」と云うことと同じであるる。