言霊百神│ヨブ記⑤

岐美二神の離婚状態はこの時に始まって、その期間は今日に到るまで実に悠久五千年以上に亘っている。然しこれは永劫の離婚ではなく、やがて伊邪那美命の使命である黄泉国の文明が完成される時、いずれ二神が蓬莱の島台の上に友白髪の高砂の尉と姥として並立する時が来るのである。
「其の妹と泉津平坂に相闘ふに及びて、伊弉諾尊曰はく、始め族が為に悲しみ、思哀びけることは、是れ吾が怯きなり…」(『日本書紀』)。伊邪那岐命が神去り給うた伊邪那美命を黄泉国に追い求めたことは前述の如く、一火を点(とも)して入り見ましたところの、所謂煩悩の催しのためであったわけである。『日本書紀』のこの記事は仏教思想を取り入れてある書き振りである。