気功の方法…六字訣③

(4)臨床応用
鄒朴庵は「各字をそれぞれ六回、六六、三十六回念じる。つまり小周天である。病気がその臓腑にあるか、またはそれに関連する臓腑にもとづき、二字を各一八回ずつ、つまり三十六回念じると、前のと合わせると合計七十二回で、これを中周天という。引き続き、また六字を各六回念じ、前のと合わせると合計百八回で、大周天という。病気が重ければさらに増やしてもよい」という。このほか『備急千金要方』の中では、大呼・細呼の区別がある。劉完素の『素問玄機現病式』の中では「臓腑の六気、実すればその『本化の字』を用いてこれを瀉し、衰えれば『勝己の字』を用いて瀉しそれによって補う」べきであると指摘している。
古人の経験および我々の臨床経験にもとづき、六字訣を用いる方式は、以下の方法により処理すべきあると考える。
五臓通治法…嘘・呵・呼・四・吹・喜の順に、各字を六回念じ、呼吸の長短は等しくする。これが基本的な通用法である。
見症治臓法…病症と相応する臓腑の字を用いる。たとえば肝気・肝火・肝陽では嘘字を念じる。十二回から三十六回念じ、息を吐き出すのを長く、吸い込むのを短くする。
寒熱分治法…たとえば症状において寒熱弁証が明らかなものでは、熱証に対しては呵字を念じ、寒証に対しては吹字を十二回から三十六回念じる。
去其剋我法…五行の臓腑の相剋原理により、我を剋する臓の字を念じる。たとえば脾胃の病気で同時に酸っぱい水を吐く症状がみられると、これは肝木が旺盛で土を剋しているので、肝気を疏泄するため、嘘字を十二から三十六回黙念することを組み合わせる。
併去我生法…五行の臓腑の相生原理により、母子二臓の字を一緒に念じる。たとえば肝木は心火を生じさせるので、心火が盛んに燃えさかっているときには、嘘と呵の二字をそれぞれ十二回から三十六回同時に念じる。これは釜底から薪を引っ張り出す効果を狙っている。

(5)注意すべき点、およびその他
六字訣は単独に行っても、その他の静功と組み合わせてもよい。六字訣をそれぞれ別々に行ってもよく、それらを嘘字訣・呵字訣・呼字訣などという。
『医学入門』では「六字の気は外邪を発散できるが、中虚で汗がある者は禁忌である」と指摘している。そのため虚証では用いることは禁忌である。操作の過程で、虚汗・心悸・めまいなどが現れればすぐに停止しなければならない。
姿勢は、平坐あるいは自然立式をとる。
古人は、時間を六陽時・六陰時に分けたが、あまり拘ることはない。一般的には六陽時に行うが、午前を主に、午後を従に行ってもよい。午前中は東に向かい、午後は南に向かい、毎日一、二回行う。