ナチュラル│アレルギー

アレルギー
アレルギーは免疫の対象が見当違いな方向に向けられている状態である。犬の毛・花粉・ハウスダスト(塵)・カビなどのアレルゲンは、実際には人間に害をあたえるものではなく、しかがって免疫系が反応する必要のないものである。アレルギーは免疫系が後天的に覚えた学習反応であり、覚える力があるということは、本来どうあるべきかを覚えることができるということでもある。だから、治療の目標は、免疫系にアレルゲンと平和的に共存できるという自信をもたせることにある。現代医学の標準的な治療はこの目標に到達していない。自信をもたせるどころか、アレルギー反応を抑えつけ、いたずらに長引かせ、毒素を強めているのである。
アレルギーには複数の原因がある。そのひとつは遺伝である。アレルギーの病歴のある両親の子供に起こりやすい。もう一つの原因は、こころと神経の働きにある。情緒的なストレスだけでアレルギー反応が起こり、リラクセーション法を行うだけで反応が消えることが多い。バラの花に強いアレルギーがある人は、造花のバラを見ただけで反応が出る。それぞれ誤って学習した免疫系の反応であり、心と脳が関与しているということを証明している。
事実、アレルギーはこころとからだの境界領域に存在する反応である。アレルギー反応で死ぬこともあるのだから、物理的な現実であることは確かだが、思考や感情の状態を変えることによって、その現実を消すことができるのも確かなのである。わたしはこれまでに、転職する、配偶者と別れるなど、ストレスの原因になっていたものから離れたとたんに、長年悩まされていたひどいアレルギーが治ったというケースをたくさん見て来た。アレルギーにおける身心の結びつきを利用する治療法のひとつに催眠療法がある。催眠によってアレルギー反応を弱めたり、完全に消したりできるのは、免疫系が覚えた無意味な習慣を忘れさせるからである。
アレルギーのもう一つの原因は生活環境にある。アレルギー的な反応性を持つようになるかどうかに影響するのは、成長期のある段階で潜在的に刺激性のある物質に触れるという経験も大きいが、それに劣らず大きいのは食生活である。タンパク質の摂り過ぎは免疫系を刺激して、つねに反応過剰の状態にとどめておくことになりがちである。とくにミルク(牛乳)はその刺激性が強く、アレルギーの遺伝的要因がある人の、さまざまな疾患の隠れた原因になっていることが多い。したがって治療戦略の基本は、低タンパクの食事にして、ミルクと乳製品をとらないというところにある。
アレルギー反応でもっとも怖ろしいのはアナフィラキシー・ショックである。気道がつまって窒息死することもある。アナフィラキシー・ショックは毒虫に刺されたとき、敏感な人がアレルゲン食品を摂取したとき、薬剤を服用または注射したときなどの反応として起こる。緊急事態だが、効果的な治療法がある。ふつうは(医師の指導のもとに)アドレナリンの注射をするだけで、反応が即座に消える。
もっと軽いアレルギー反応にたいする一般的な治療は効果も悪く、有害であることも少なくない。抗ヒスタミン剤は脳の活動をさまたげ、眠気や気分の落ち込みをうながす。抗うつ傾向のある人やふさぎがちな人は、抗ヒスタミン剤をのんではならない。またステロイド剤についてもおなじことがいえる。

2019年9月
« 8月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930