胃潰瘍・十二指腸潰瘍(消化性潰瘍)
潰瘍は古典的なストレス病だと考えられてきたが、最近の医師はこころとの結びつきを重視せず、細菌感染などの純粋に物質的な原因を探る方向に傾いている。しかし、わたしはいまでも潰瘍における心理的な因子の重要性を確信して、その因子を矯正することに治療のポイントを置いている。確かに潰瘍の部分に細菌が見られることはあるが、では、そこに細菌を棲まわせてしまったものは何なのか?潰瘍を起こすと考えられている特定の細菌が、ふだん消化管の中に棲んでいて何の問題も起こしていない以上、組織の化学的性質に何らかの変化が起こったことが原因だと考えなければならない。そして、組織はストレスによって最近の侵襲を受けやすい状態になるのである。
潰瘍は胃の出口の下、つまり十二指腸(小腸の第1区分)がはじまる部分にできることが多い。その次に潰瘍ができやすいのは胃の内壁である。いずれの場合も、組織が胃酸に侵されやすくなって潰瘍ができる。潰瘍の診断はX線か内視鏡によって確定できるが、潰瘍はできたり消えたりしているものなのである。潰瘍が活発なときは痛みをはじめ、消化管上部にさまざまな不快な症状が起こる。
現代医学の治療では制酸剤・粘膜保護剤・鎮痙剤など、多くの薬剤が使われる。症状を押さえつけるだけだから、再発する可能性がある。問題は医師がこうした薬を出すとき、再発の可能性を最小限にするための生活指導を怠るところにあるのである。
胃のむかつき
最良の家庭療法はペパーミント・ティーとカミツレ・ティーである。