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インポテンツ
男性のインポテンツ…じゅうぶんな勃起能力がない状態…は、身体的な原因よりも精神的な原因でおこるほうがはるかに多い。精神的な勃起不能か身体的なそれかを見分ける簡単な方法がある。切手検査法である。夜、寝る前に、ペニスのまわりに3家等枚つづりの切手の輪を貼っておく。朝になっても切手の輪がそのまま切れずについていたら、睡眠中に一度も勃起しなかったということであり、勃起メカニズムの何処かがおかしいということがわかる。その場合、泌尿器科に行って検査をしてもらうことである。この種の身体的なインポテンツの原因になりやすいのは、タバコ(生殖器への血流をさまたげる)、コカインをはじめとする興奮剤、アルコールをはじめとする抑制剤、降圧剤、精神科で処方される薬剤などの薬物があげられる。
切手の輪が多少なりとも破れたら、ペニスそのものには何ら問題もない。問題はこころとペニスの関係にある。泌尿器科よりは、サイコセラピストかセックスセラピストによるカウンセリングやセラピーに向いている。
精力増強剤としていまの「医師卓上便覧』にのっているのは、アフリカ産の樹木の皮からつくるヨヒンビンだけである。昔から媚薬として噂されていたものである。ヨヒンビンは処方にしたがっていれば副作用も少なく、比較的安全だが、世に言われているような効果を立証する研究はほとんどなされていない。オスのラットの性行動を活発にすることは確かなようだが、人間の男性に同じ効果があるかどうかは不明である。
男性の機能を高めるといわれているものの中で、もっとも生物学的な影響が強うのはホルモンである。性ホルモンはそれぞれ卵巣と精巣で作られているが、男女とも副腎では男性ホルモンと女性ホルモンの両方が作られている。からだはそれらをコレステロールから複雑な反応をへて製造する。コレステロールの「ステロール」とは、多くのホルモンや薬剤に見られる特徴的な分子構造、つまり「ステロイド」のことをいっているのである。
男性ホルモンは「アナポリックホルモンは」と呼ばれる。代謝の各相のうち、からだを作る相である同化作用を刺激する。男性ホルモンは総称してアンドロゲンといい、男性の性徴を発達させる。からだを循環する血液中にアンドロゲンが不足すると、男性は性欲も勃起力も失い、ついには性徴の一部も失われる。アンドロゲンの主要なものはテストステロンである。テストステロンは長い間男性の性機能をつかさどるものだと考えられていたが、いまでは両性の行動に広汎な影響を持つ物らしいということが分かってきた。最近の研究でテストステロンが非常に魅力的な強精剤らしいこともわかってきたが、奇妙なことに、男性より女性の方に効果があるという。ただし、組織まで到達させる方法と服用を誤ると大変なことになる。

2024年4月
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