ナチュラル│うつ病

うつ病
米国にはうつ病が非常に多く、うつ病を人間の正常な一面だと認めている人がたくさんいるほどである。環境の変化によって生じる状況とは無関係に内部から生じる内因性うつ病とを区別することが大切である。前者の場合は隠そうとせずに、たとえばサイコセラピストやカウンセラーなどの助けを得て自力で解決すべきである。内因性うつ病は他の治療法が必要になる。
精神科の学会誌などに載っている製薬会社の広告を見ると、うつ病をはじめとする精神疾患が簡単に克服できるような印象をもってしまうが、現実はそれほどバラ色ではない。抗うつ剤は精神科医や製薬会社の重役たちが信じたがっているほど効くものではなく、むしろ毒性が強いものである。
現代医学の各科目のうちでも、精神医学はもっとも深刻に唯物的思考に汚染されている。すべての精神障害は脳の化学作用の異常から生じていると信じ、薬物療法で治せると確信しているのである。私には、気分や思考の異常が脳の化学作用の異常の原因であるといっても同じことだと思われる。したがって、私はうつ病の治療を、別の方法に求めたいと思う。
仏教の心理学的な観察によれば、うつ病は刺激を求めることの必然的な結末だという。つまりこの見解はわたしたちに、高揚を求めてその後に必ず来る失意を嘆くのではなく、感情生活に中道を求めよ、バランスを求めよということを教えている。そのための基本的な処方箋は、毎日の瞑想の実行にある。わたしもそれがうつ病の根源に迫り、もとから治していくための最良の方法であるという見解に賛同したい。だが、瞑想には即効性がないので、じっくりと腰をすえてかかることが要求される。
もっと短期勝負の対症療法的な方法なら、わたしが知る限りエアロビック運動にまさるものはない。週に最低5日、1回30分の連続的な身体運動をするのである。うつ病のときは死んでも運動などしたくないだろうが、そこをおして動くのだ。即効とまではいかなくても、数週間のうちにはいい結果が自覚でくるはずである。
うつ病を促進するような売薬または処方薬を飲まないように。それらには抗ヒスタミン剤・鎮静剤・睡眠薬・麻酔薬などがある。抗うつ傾向のある人は、そのような薬物に手を出さないようにしていただきたい。
また、うつ病のときの慰安薬の使用は、」くれぐれも慎重にしていただきたい。とくにアルコール、コカイン、アンフェタミン、鎮静剤、麻酔薬、マリファナなどは用心したほうがいい。一時的には楽になるが、常用するとうつ状態を悪化させ、危険な状態にまで陥ることがある。コーヒーをはじめとするカフェイン類への耽溺も正常な気分を阻害して、うつ状態を悪化させる。
試みる価値のある代替療法としては、ふつうはてんかんの抑制に使われる処方薬のフェニトインの使用があげられる。長く使われても比較的安全な薬剤であり、24~48時間という短期間に効果が現れる場合がある。医師に頼んで処方してもらい、ここで紹介している他の方法と併用しながら、一日2回、100㎎ずつ飲むといい。症状が改善されたら、50㎎で一日1回、そこでやめることである。
うつ病はエネルギーが内側に向かい、否定的になっている状態である。だから、それを押さえたり、自分から縁を切ろうとしては、うつ病と仲良くなれない。感情を自由に表現するようになる道は、うつ病を正当に認識しながら、それを変えていくところにある。そうすれば、うつ病がもっているエネルギーをすべて使えるようになる。

EB(エプスタイン・バー)ウィルス疾患

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