ナチュラル│更年期障害

更年期障害
製薬会社の宣伝や多くの婦人科医の所信には楯突くことになるが、閉経は病気ではない。ほとんど不快な症状を経験することなしに人生の変化期を乗り切った女性は少なくないし、ホルモン代償療法など一度も受けることなしに溌剌と閉経後の生活を送っている女性を、私はたくさん知っている。
更年期をどう経過するかには、こころの持ち方が関与している。閉経という変化を「もう若くはない」「もう女ではなくなった」と悲劇的に受け取る人は、その気持ちが大きなストレスとなって不快な症状を自覚し、錠剤のかたちをした「永遠の若さ」を売りつけようとする人たちに説得されてしまうことになる。閉経を人生のつぎの段階への自然な移行だと受け取る人は、医師の助けを必要とせず、冷静に変化を受け入れている。
医師の多くは、不快な諸症状にたいする科学的な治療法であると割り切って、ホルモン療法をほどこしている。確かに、閉経期にエストロゲン(女性ホルモン)のレベルが低下すると、一部の女性に一過性の熱感と膣の乾燥が起こるが、それに対処するのに外部からエストロゲンを補充する必要はない。
一過性の熱感は無害だが、気持ちのいいものではない。それを抑えるのにいい生薬療法をお教えしよう。健康食品店で、次の3種の生薬のチンキ剤かカプセル剤を買っていただきたい。トウキ、チャパラル、それにダミアナの3種だ。ダミアナはテキサス州やメキシコ北部原産の植物で、強精剤ならびに女性の催淫剤としてよく知られているものである。カプセルの場合は、それぞれ2カプセルずつ1日に1回、正午にのむ。チンキの場合は、ぬるま湯を入れたカップにそれぞれのチンキ剤を1滴ずつ落としたものを、やはり1日に1回、正午にのべばいい。この生薬は安全で、よく効く。熱感がなくなるまでつづけ、熱感がおさまったら少しずつ量をへらして、適当な時期にやめればいい。それで不快な熱感との縁が切れる。
膣の乾燥は性交を困難にするが、性生活の終わりを意味するものではない。潤滑用のゼリー剤やクリーム剤を使う習慣をつけるか、医師に相談して外用のエストロゲン・クリームを処方してもらい、使い方を教わるといい。エストロゲン・クリームを随時に使っていると、正常の膣組織が回復してくる。種類によっては全身性に吸収されるものもあるが、ホルモン剤を飲むことに比べれば、影響は少ない。
卵巣を失ったため閉経期が早くきた女性へのエストロゲン療法や、とくに医学的な理由があっての使用は反対しないが、エストロゲン信仰は、その潜在的な危険性、とくに癌になるリスクを高めるので反対である。

2024年5月
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