“充実した人生”は「いい呼吸」なくして手に入らない!②
人生とは生まれた時、白いキャンバスの前に自在に描ける絵の具を持った自分というのが本態です。そこに、溢れるエネルギーによって描いてゆくのです。エネルギーによって光り輝く大作もできるでしょう。ただ何だか分からなくて、やたらに絵の具によって塗りつぶすこともできるでしょう。それが人生なのです。
しかし、同じ描くなら人に感銘を与え、見る人が生命力を感じる作品を創ることです。そのためには、まず生命エネルギーに溢れた自分を創ることが大事です。
20世紀までは自分が生きていることが大切というよりも、啓蒙の時代であったので、真実を求めるために、あらゆる努力をしてきました。そのプロセスはとても尊いものですが、建設の途中であるから、人それぞれの思い、造ろうとする気持ちが積み重なって取り壊せない、一つの大きな虚構の世界ができたのが事実です。
司馬廉太郎さんは「強大で動かすことのできない構造物のような考えも、いろいろな人が最初は単なる思いつきで言ったことが、積み重ねられ、やがて動かし難い真実そのもののようになった」という旨のことを述べています。
つまり、もともとすべてに真実があったわけではなく、初めは単なる一人の思いつきに過ぎなかった、ということが多々あったということです。
しかし、今世紀になって、科学がやっと人間の本体を捉え、本体である人間が生きていることによって、我々の世界が開かれたことが明確になってきました。そこで一番大切なのは生きることであり、生きることの根源となるのが、言うまでもなく呼吸なのです。
人間には、自然の摂理を受け入れなくてはならないという既成概念がありました。しかし、人間はいくつになっても美しくなくてはならないのです。
かつて、不老長寿という考えは、権力を握った皇帝や為政者が莫大な財力をつぎ込み、当時の最高の医学者・科学者に求めさせたのです。現代では一般の人々にも求められるようになって、美容法とかダイエットとかいろいろな挑戦がなされています。
21世紀、生命科学の進歩によって、いつまでも細胞が再生されて生き生きとしていれば若くなれるということが、「ES細胞(胚性幹細胞)」の研究から推測できるようになってきました。
西野流呼吸法は、細胞を蘇らせ、生命エネルギーを培い、若さと美しさを創る、現代における奇跡の呼吸法とも言えます。
西野皓三│あとがき②
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