西野皓三│あとがき①

“充実した人生”は「いい呼吸」なくして手に入らない!①
人間は生きていることだけが真実です。生きているからこそ、生活があるのです。生活というのは、現実の諸々の生命現象なのです。それは、動いたり、笑ったり、はしゃいだり、怒ったりすることなどあらゆる行動があります。
人間は生きることが原点であり、そのためには呼吸があり、摂取した食物を「生命エネルギー」に変え「生命力」が生まれます。生きているから自由を求め、お互いの生命力を高め合い、助け合うことで共生が生まれます。生きることの延長線上に種族保存のための男女の愛情があり、生活の普遍に通じる愛である友愛、親切、思いやり、そういう諸々の生活現象が生まれ、広まっていきます。
生きているという生命エネルギーがなくては、何も存在しません。生きている、生活している、その元になる生命エネルギーが溢れることによって、次に人生があるのです。
人生はそれぞれの人々の持つ夢や願望を現実の世界に反映させること、実現させることなのです。
人はそれぞれのアイデンティティーを持ち、自己を人々に認識させます。その手段として、その人の個性によって自己表現がなされるのです。それは、地位や名誉の獲得、経済活動や資産形成、真理の探究、美の表現など、人によってさまざまな願望が挙げられます。芸術の分野一つとっても、音楽、絵画、建築もありますし、美容師のようにヘアメークやメーキャップで美しくするなど、諸々のことがあり、それが人生なのです。だから、人生は自己の夢を実現する楽しい作り事なのです。
作り事ですから、楽しく取り組んでもさまざまな難関があります。すぐ実現できるわけでなく、その過程にあって、称賛、妨害、嫉妬などさまざまな要素が重なります。
たとえば、出る杭は打たれる、突出すると世間は追従する。このようなことを総じて、普遍的な言葉ではバーチャルと言います。人々の恣意や思惑が重なって願望となり、そのことが自己を他者に認識されたいという思いが強くなってきます。人によっては誰からも認識されなくてもいいという考えがありますが、そうなると社会の中で無視されます。
このかけがえのない生命を授かったのですから、生命力を高めて、一人ひとりが、オンリーワンの世界を創るべきです。オンリーワンとは、どんな小さなことでもいい、一つだけ他の誰にも真似できない、社会に役立つことを見つけ実行することです。人生がバーチャルであっても、人々の役に立つことが、生命力をお互いに高め、その実感が、生きているという存在を確信できるのです。
現実は虚構と真実が相混ざって世界を形成しています。私たちはこの現実の織り成す魅力的で、不安定でちょっぴり怪しげな人生の中で、それぞれの素晴らしい夢を開花させるためには、いつまでも若々しい身体を持たなければなりません。

2024年4月
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