言霊百神|開闢(中今の意義)⑪

国之常立神【言霊エ】
地(くに)すなわち国が恒常に成立する原因基盤である実体。「くに」は大自然から発生してそれから分離した人間の知性活動の自覚による創造の所産である。『日本書紀』には「国底立尊」とある。その基盤(底)の形は     である。『易』で云う八卦の基盤である。この基盤の原律の把握は神道及び『易』に於ける、広く東洋哲学独特のものである。神道ではこの基盤の内容をヒチシキミリイニの八韻として捉え、『易』では数を以て、或いは乾兌離震巽坎艮坤と云う概念を以て表現する。

豊雲野神(とよくもぬのかみ)【言霊ヱ】
豊は十四と云う数の咒示。「アイウエオ、ワ、ヒチシキミリイニ」の基本的十四言霊であり、また天之常立の 六数に、国之常立の 八数を加えれば十四数を得る。十四は布斗麻邇の基本数理の一つである。豊葦原瑞穂国と云う場合の豊は此の意味であり、十四数の基本を以て言霊を組(雲)立てる道理の実体を云う。言霊ヱは言霊エの内容を具現したもので、ヱはワの内容、エはアの内容であって、同じ意義のものである。
『日本書紀』ではこれを「豊斟淳尊(とよくみぬのきこと)、豊組野尊(とよくぬのみこと)、豊香節野尊(とよかふしぬのみこと)、浮経野豊買尊(うきふぬのとよかふのみこと)、葉子国野尊(はこくにぬのみこと)」等と説いている。浮経野は浮船であり、葉子国は箱国である。言語は船にたとえられる。吾である此岸から汝である彼岸に渡すからこれを天鳥船、天浮船と云う。その浮船を造る基本原理原律が豊雲である。
また五十音図は方形のものであるから箱と云う。言霊を入れる箱を玉箱(玉櫛筍、玉手箱)と云う。真名壺とも云う。仏教で云う大乗すなわち大船や、キリスト教で云うノアの方舟の義にも相通じている。エ、ヱは慧・絵・柄・選であって、物事の要点を選択把握する知的実体、すなわち叡智である。

2021年8月
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