言霊百神│子音の創生④

ところで扨て筆者は大事忍男神以下の三十二子音の意義を開示しようと意気込みながら、この一か月の間毎日筆を持って原稿用紙を前に置いたまま一字も記すことなく過ごしてしまった。此処までの所はどうやら滞りなく筆が進んで来たのだが、此処へ来ると、啓示がひらめかず、筆が動こうとしない。元来言霊四十八音は仏教的に云うならばあみだくじ四十八の本願の正体であり、そのうちの三十二子音は観世音菩薩の三十二応身(変化)として象徴されてあることの根源である。四十八願を説くことは阿弥陀如来自身の責任であり、三十二子音は観世音菩薩すなわち正法妙如来みずからが説かなければならない。仏陀にあらざる衆生、声聞、縁覚、菩薩の四乗の境涯の人間が「わがはからい」を以て説いてはならぬ事であり、また説こうとしても説くことの出来ないことである。

2024年7月
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