言霊百神│絶妻の誓⑬

高天原と黄泉国に分れた岐美二神はここで各々の職分と領域をはっきりと決定して宣言を行った。美命(みのみこと)は破壊の力であり、岐命は創造の力である。黄泉国の本領は物事を破壊することによって事象の根源を究めんとする科学的探求にある。美命が高天原の青人草を一日に千頭絞り殺さんと云うことは必ずしも人間の肉体の事ではなく、千頭は道神知の咒文と考えられるから、これを道(ち)を明らかに知る言葉のことと取れば、美命はそうした正しい真理の言葉を一日に千個ずつ破壊して行くと云う意味である。これに対して岐命(きのみこと)が千五百産屋を建てると云うことは、美命の破壊に増してより多くの正しい言葉をどんどん産み出すから困りはしないと云われたことである。