言霊百神│禊祓(二)①

かれ(故、)投げ棄(う)つる御杖(みつえ)に成りませる神の名は(、)衝立船戸神
禊祓には二段階の操作がある。前段は身削ぎ払霊であり、後段は霊注ぎ張霊である。前者は消極面、後者は積極面の操作である。禊祓は伊邪那美神の内容である高天原以外の世界の言語、文字、思想の整理であって、「投げ棄(う)つる」と云うことはその罪穢れである不完全な外国思想そのものを投げ棄てると云うことではない。罪穢れを嫌わしきもの、有るべからざるものとして放棄してしまって摂取不捨の阿弥陀如来の行願にはならない。それを整理するために言霊麻邇の原理をその外国思想の中に投入することである。たとえば油や垢で汚れた衣類を水に漬けて、それに石鹸を投入する如きことである。岐命が黄泉国から逃げ還る途中で、黒御鬘、湯津爪櫛、桃子三つを投げ棄てた場合と略々同じ操作である。

2024年4月
« 3月    
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930