上瀬アは惰性であり感情であって、これは余りに奔放であるから、その赴くに任せて生命の自由を楽しむにはよいが、これを以て文明全体を律しようとすることは無理である。絵画や音楽、詩歌、演劇では国家や社会を経営しては行けない。すなわち「上瀬は瀬速し」である。