中国秘伝ひとりあんま気功⑪

指幅ではかり、めざすツボに接近する
 はじめてひとりあんまに挑戦するとき、いちばんやっかいなことは、ツボの位置を正確に突きとめることです。経絡は目に見える線路ではなく、ツボも駅のように建物が建っているわけではないからです。もちろん、イラストにはホクロのような黒い点であらわされていますが、実際にはそんな点はありません。
 では、どうやってツボを探しあてるかというと、体の表面にあるわかりやすい目標物、すなわち目、眉毛、鼻、口、乳首、ヘソ、背骨などを目印にして、それとの距離でツボの位置を見きわめるのです。
 もっとも探しやすいツボは、目標物にあるツボと目標物に隣接しているツボです。たとえば、目の内側の端にある晴明というツボ、ヘソの穴にある神闕というツボなどがそうです。また、二つの目標物の中間にあるツボもあります。たとえば、眉毛と眉毛の中間にある印堂というツボ、乳首と乳首の中間にある壇中というツボがその代表です。
 一方、ふつうの状態では位置がわかりませんが、ちょっとある動作をすると、その位置がはっきりするツボもあります。その代表が、大椎です。首を下に曲げると、首の付け根のあたりに骨が突き出ます。この骨の下のくぼみにあるのが、大椎なにです。
 また、風市というツボは、気をつけの姿勢で立ったとき、両手の中指の指先があたるとことにあります。こういうツボも、探しやすいツボの一種です。
 けれども、そんなに明確に位置がわかるツボは、むしろ少数派です。大半のツボは、目標物からの距離をはかるしか方法がないのです。
 では、そのはかり方について、説明しましょう。
 大きく分けると、ツボのはかり方は三種類あります。①目標物からの距離をセンチメートルであらわす、②目標物からの距離を指の横幅であらわす、③目標物からの距離を「寸」であらわす…の三種類です。ただし、③の寸であらわす計測法は、指の横幅ではかた距離を寸であらわす方法で、②と同じはかり方ともいえますから、ここでは除外して考えることにします。

2024年4月
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