中国秘伝ひとりあんま気功⑳

日常的な時間への回帰・収功
 あんま気功法を終了する際に、かかる一連の動作をして、気功をおさめることを「収功」といいます。
 これはスポーツをした後にはかならずクールダウン(整理運動)をする必要があるように、収功はあんま気功法を終えるときに必要な手続きです(ただし、すべてのあんま気功法に必要なわけではありません)。
 すでに述べたように、あんま気功法はあわただしい日常的な時間から、チャンネルを切り替えて、つかの間安らかで静かな境地へと移行することです。都会のオアシスではありませんが、日常的な時間と環境のなかで、いくぶん異質な時間を体験することです。
 ですから、この異質な時間から、もとの日常的な時間にもどるには、もう一度チャンネルを切り替える必要があります。そのチャンネルを切り替える動作が、この収功なのです。
 では、収功の具体的なやり方を説明しましょう。
①両手の指を熊手のように曲げ、額の生え際にあてます。髪をすくようにして、両手の一〇本の指で頭のてっぺんに向けて頭を押しなでていきます。頭のてっぺんに達したら、さらに両手で頭を押しなで、後頭部の生え際まで押しなでます。
②両手のひらを左右の頬にあて、小鼻の脇→眉間→額→こめかみ→口の端→小鼻の脇と、ゆっくり楕円を描いて二~三回、顔をさすります。
③両手を水をすくうときのようなかたちにして、そのかたちのまま、肩や腰、足などをかるく叩きます。
 なお、収功を行う必要があるのは、長い時間をかけるあんま気功法と逆腹式呼吸など特殊な呼吸法を行うあんま気功法だけです。それ以外のあんま気功法は、とくに収功を行う必要はありません(収功が必要なあんま気功法に関しては、それを紹介したページで具体的に説明をします)。

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