中国秘伝ひとりあんま気功⋆③

胃潰瘍に対するツボ刺激
 仕事が忙しくて、胃潰瘍(十二指腸潰瘍)が治るまで、自宅でゆっくり安静にしている暇がない人には、ツボを刺激するひとりあんまが最適です。ちょっとした合間を見つけて、試してみましょう。
①腕の内側のほぼ中央に、二本の太い筋肉が手首から上に向かって走っています。この二本の筋肉の間で、手首から指の横幅で三本分ほど上のところに、胃の痛みにたいへん効果のある内関というツボがあります。最初に、このツボを刺激します。
 まず右手の親指の先を左手の内関にあて、ツボに意識を集中しながら、はじめのうちはかるく押し、すこしずつ力を加えていきます。ツボの周辺に酸脹感(だるさや鈍い痛みなど、ツボを押したときに感じる独特な感覚)を感じるまでつづけ、酸脹感を感じた後も三〇秒間くらい押しつづけます。左手の内関が終わったら、次に右手の内関を同じように押してください。
②足の内くるぶしから、指の横幅で四本分ほど上に、三陰交というツボがあります。また、膝を約六〇度に曲げ、指を伸ばして親指を膝の皿の上にあてたとき、中指の先があたるところに、足三里というツボがあります。床に座って右膝を立てて、右手のコブシで、二~三分右の三陰交を軽く叩き、次に右手のコブシで右の足三里を二~三分軽く叩きます。手足を左右交代させて、やはり二~三分叩いて下さい。
 足三里は胃とつながる胃経という経絡(気のとおり道)にあり、胃の病気にたいへん効果のあるツボです。また、三陰交は胃の働きに密接な関係がある脾経という経絡にあり、やはり胃腸の病気によく効くツボとして知られています。

2024年10月
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