菊の御紋章

 天皇家は代々十六弁の菊花の紋章を用います。三種の神器に次いでこの菊の紋章の言霊学的由来を説明することにしましょう。
 天皇のことを昔はスメラミコトと言いました。スメラは「統でる、統一する」の意です。ミコトとは言葉の意味。スメラミコトで国中の、世界中の言葉を聞こし召して、それを統一していく人の意味になります。霊知り(聖)であった天皇はそれが可能でありました。菊の紋章の菊は「聞く」の表徴であります。聞く、とは何を聞くのかという意味でで十六弁の菊花は天皇を中心とした十六方位の地方・国々を表わしているという説があります。けれど、それなら何故天皇にはそれが可能であるか、という天皇としての資格が明らかになりません。古代の天皇は国家権力や武力によって国を治めていたのでなく、徳の高さ、能力の大きさによって政治を敷く責任者であったのです。
 人間は他から入ってくる言葉の音声を耳で聞きます。そして耳で聞いた音声を頭脳に還元してその真実の内容が探られます。
 国家や世界の一切の言葉を聞こし召す(菊)スメラミコトの能力は、言霊十六個から成り立っています。これが天皇のご紋章に十六弁の菊の花が用いられる理由です。