大脳生理学と言霊

 先ずは近年急速に研究が進んだといわれる大脳生理学と言霊との関係を取り上げることにします。
「人間の大脳半球は解剖学的には左右が対称的に見えるが、機能的には著しい差があり、そのうち最も顕著なものは言葉の局所ということであろう。言語機能が大多数の人では左の脳にある…」角田氏の研究を引用紹介するのは不可能なので、文章を要約することをお許し頂くと次のようになります。
 人間の大脳は形の上では左右一対で対称的になっているが、左右の脳が取り扱う対象は夫々分担が違っていて、欧米の研究によれば脳の左半球には科学技術的なものの考え方を支えるような合理的分析的思考、言語、計算などの中枢があり、右半球には芸術や宗教的心情の基盤となるような直感的・総合的・非言語的な認識の中枢がある。…
 欧米人は左の脳で言語(特に子音を含む音節単位の母音)、数計算を扱い、右の脳で音楽、機械音、母音、自然の風の音、虫の声等に対応する、と考えられた。…
 それ故、欧米先進国は左脳主導の文化(科学・産業)が発達し、後進国第三世界では右脳主導の文化(宗教・芸術)が形成されて来たということが出来る。そして日本は先進国であるから当然欧米型であろうと思われていた。…
 ところが角田氏の研究によれば、日本人について実験して見ると、左右の脳の分担の仕事に欧米型と著しい相違が発見されたという。…
 日本人の左脳は論理、数学等の西洋的ロジックに加えて、一音一音の母音や、情緒的・感情的な自然界にある音(動物の鳴声や小川のせせらぎ、風や葉の音)から邦楽器音まで含んでおり、まさに日本人の心を表すようなユニークな分担となっている。そして日本人の右の脳は「もの」で表せされる西洋楽器や機械音などに限られる。
 このような日本人の脳の分担の欧米人との相違は肉体的遺伝のためではなく、全く日本語そのものに原因があることが証明されているという(言い換えると、血統的な日本人だからそうなるのではなく、生れてから人格形成までの期間、日本語を基調として育ったか、否かで脳の分担が決定される)。…
 先進国の中では、日本人だけが異質な脳のメカニズムを持っていて、朝鮮・東南アジア諸国・インド、香港の中国人等は完全に西洋人と同じ脳のパターンをしていることが分かって来た。…