コンピュータと言霊

 最近のコンピューターの研究は目覚しいものがあります。第五世代コンピューター、第六世代コンピューター…と人間の頭脳にとって代る高度の機能を持つコンピューターの開発が試みられていると聞いています。人間の心の現象は千差万別、殆ど無限に近いものですから、その心を機能的にコンピューターで捉えるのもさぞ難しい作業なのであろうと研究者のご苦労が分かるようなきがします。けれども人間の好奇心も止まることを知りませんから、人間の頭脳の働きに近いコンピューターの開発に今後も各国とも鎬を削ることでしょう。そこでコンピューターと言霊との関連の可能性について感想を述べてみることにします。
 普通の数の数え方が十進法であるのに、コンピューターは二進法であり、零か一かで、それを電気のプラスとマイナスで表して行く、ということ位しか知りません。それでもコンピューターで人間の頭脳の働きを再現するということは、人間の心の動きを数に置き換えて行くと解釈して間違いないのではないでしょうか。
 人の心は気まぐれです。昨日まで甘いものが好きだった人が、或る日突然塩辛い物が好きになることだってあります。過去のデータの範囲内で動くだけのものならその予測をどのように捉えることが出来るのでしょうか。その上、今迄の心理学・哲学・論理学、その他の学問によっても、人間の心の構造とその働き方についての明確な理論が出来上がっているわけではないのです。人間の頭脳機能のコンピューター化のためには、その前に人間の心自体を正確に捉えることが必要のように思われます。
 そこでアイウエオ五十音言霊学からの提言です。
 私達日本人が日頃使っている日本語を形成しているアイウエオ五十音言霊の原理によりますと、人間の心はその五十音一音一音の五十個の要素から構成されています。人間の心は母音ウ(五官感覚による欲望、そこから出て来る社会的現象は産業・経済)、オ(経験知、科学)、ア(感情・宗教・芸術)、エ(実践知・政治・道徳)、イ(創造意志・言葉・言霊)の五段階の次元の界層から成り立っています。
 次元界層といいますのは、五段階の世界が単に重なっているのではなく、最初の段階である言霊ウの世界が全部終わった所で、その全部を含んで次の段階である第二のオの世界が始まり、その第二段階が全部終了した所で、第一と第二の全部を含んで次の第三段階のアの世界が展開し、イの現象が終了した時、人間の心は全て網羅されたことになります。人間の心は五十音の言霊によって構成されており、それより多くも少なくもないのです。
 言霊の原理は人の心が五つの次元から成り立っている事を示すだけではありません。心の現象は主体である母音アイウエオのそれぞれからどんな心の経過・手順を経て結末である半母音ワヲウヱヰのそれぞれに到達するかを創造意志の展開であるキシチニヒミイリの配列によって示すことが出来ます。その上、この八つの父韻のそれぞれが如何なる働きをするのかも分かっているのです。
 更に人間の思考のうちの先天部分の構造(母音・半母音・父韻の十七言霊)も明白に示され、現象の最小単位である三十二の子音の内容も解明されています。
 こう説明してきますと、数によって人の心を、人間の頭脳構造を捉えようとするハイテク・コンピューターの研究にとって相当な光明を与えることになるのではないでしょうか。
 昔の人は更にこれら言霊の働くを「数霊」として捉えてもいます。この数霊の原理も併せて参照にするならば、コンピューター研究は一段の進展を見る事疑いありません。

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