中国気功史_解放後の気功発展

 解放以降は、中国共産党の対中医政策により、中国伝統医薬学の遺産が大いに継承、発揚されるようになる。気功療法もやはり発掘、整理が進められ、急速な発展をみた。一九五五年、河北省唐山に有史以来初めての気功専門機関である唐山市気功療養所が建てられた。ここにおいて気功療法の臨床観察が進められ、臨床実践の資料を総括し、「内養功」の鍛錬方法の普及活動が進められた。ここのスタッフによって慢性胃腸病治療の経験が次々と発表された結果、気功はより多くの方面から注目を集めることになった。一九五六年、唐山と北載河に相次いで気功訓練班が開設され、多くの気功専門家が養成された。以後いくつかの療養施設において、気功による慢性疾患の治療が少しずつ試みられるようになった。
 一九五七年七月、上海気功療養所が開設された。ここの活動としては、まず嶈維喬が上海で気功講座を開いたときの失敗例を取り上げ、総括することから始めた。臨床観察と結びつけた結果、この失敗例の患者の身体のあちこちに緊張状態が出現することが認められた。この緊張状態は疾患の症状として現れるもの、疾病に対する感受性によって引き起こされるもの、もともと病気自体が緊張によりおこったと考えられるもの、あるいは練功中の姿勢に関わるもの、強引な呼吸によるもの、意識の集中が強いもの、感覚を追求しすぎたものなどにみられた。そこで緊張状態を取り除き、気功鍛錬の弊害を防ぎながら疾病を治療するためには、静功において、姿勢、呼吸、精神内守などを行うとき「松(そん)」(リラックス)が重要であることが注目されるようになった。この考えに基づき、「放松功」あるいは「松功」とよばれる功法が作られた。
 一九五八年以降、気功療法は臨床実践と科学的研究を通じて、臨床経験の基礎が築きあげた。これにより気功療法が病気の予防、治療に用いる医療機関が増加した。特に潰瘍病、胃下垂症、高血圧症、肺結核といった慢性病にたいして良好な治療効果をあげた。
 気功の専門家養成については、一九六〇年に上海市は衛生部の委託を受けて、上海気功療養所に「全国気功師推進修班」が設立され、各省の医学校や医療機関の気功専門家三十九人が教育を受けた。また上海市には「上海市気功訓練班」が設けられた。これは中西医を結合した総合療法の発展の必要性から、短期間に気功専門家を養成し、気功療法の普及をはかるためである。疾病の予防、治療の面では、潰瘍病などの慢性の消化器疾患にはじまり、多くの慢性疾患の治療に応用されるようになった。また急性病でも、虫垂炎の治療法などにも用いられている。さらに外科手術の前後や、針麻酔との併用など、補助手段として取り入れられている。
 書籍としては、上海市気功療養所編『気功療法講義』、陳濤『気功科学常識』唐山市気功療養院『内養功療法』、劉貴珍『気功療法実践』および『気功療法と保健』『気功養生法』『気功療法』第一・第二集があり、広く気功の指導者、愛好家、実践者たちの参考資料を提供している。それ以降現在の流れに通じている。

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