気功の基礎研究②

第1節中枢神経系
(1)脳波
上海市高血圧研究所
 五例の患者にトレーニングを行わせたところ、開始後三〇分から終了までの間ずっと、α波の振幅に顕著な増加がみられた。
北京医学院
 一八例中一一例にα波およびα波指数の減少がみられ、別の六例には徐波の出現がみられた。
上海第一医学院付属第一医院の神経病学教研グループ
 一二例の練功者に対して脳波の観測を行ったところ、トレーニングが進むにつれて脳波に顕著な変化がみられた。前額部にθ波が出現し、振幅がしだいに増大、周期は徐々に延長し、大脳半球後部に拡散した。これと同時に、ある者にはα波の変化がなかったが、ある者には振幅の増大・周期の延長・周波数の漸減がみられた。
 脳波は大脳の生理機能のバロメーターである。正常成人の覚醒時の脳波にはθ波は少なく、α波の変動する範囲もきわめて小さいものである。したがって、鍛錬中に現れたα波の周波数の1~2Hzの減少や、θ波のわずかな増大なども、顕著な変化としてとらえることができる。これは催眠時の変化とまったく異なっており、また一種の催眠状態と説明づけることもできない。練功中に現れる脳波の変化は、大脳皮質と皮質下組織の間におこる複雑な作用の結果であると考えられ、気功中は一種の特殊な抑制状態にあることが推測される。

2024年4月
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