気功の基礎研究④

(3)前庭クロナキシー
上海市高血圧研究所
 二七例に対して気功前後の前庭クロナキシーの平均値を測定したところ、5㎜から7㎜に延長した。前庭クロナキシーは前庭中枢が位置的にも機能上からも自律神経中枢と密接な関係があることから、迷路に電気刺激を加えて自律神経中枢の機能状態を探る方法である。前庭クロナキシーの延長は自律神経の興奮が低下していることを示し、クロナキシーの短絡は興奮の増強を示している。気功鍛錬中の前庭クロナキシーの延長は、自律神経の興奮が低下していることの反映である。

(4)皮膚電位
上海市第六人民医院理療科
 練功を行っていた三七例の喘息患者で、肺兪・命門等のツボの皮膚電位の変化を測定した結果、気功を行っている間は皮膚電位が必ず降下し、気功を止めるとすぐ元に戻ることがわかった。

上海市高血圧研究所
 高血圧の患者は、鍛錬前は皮膚電位が一定せず不安定であるが、鍛錬を始めると次第に安定し、さらにその曲線は徐々に下降するという。
 皮膚電位は汗腺を支配している交感神経のコリン性繊維の興奮と関係がある。一般に正常人では、針を刺されて疼痛を感じ、生体が興奮したようなときに皮膚電位が高まり、睡眠時に低下する。鍛錬中全身がリラックスして入静状態にあるときに、ツボの皮膚電位がしだいに下降するのは、大脳皮質が抑制に傾いていることと関係があると思われている。

2024年7月
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