気功の基礎研究⑬

(3)尿十七-KS(ケトステロイド)
復旦大学生物系の人体・動物生理学教研グループ
 腎陰虚型の「哮喘」患者で、二週間気功を行い症状の改善をみたもの一〇例について、一七-KSのが顕著に上昇が見られた。治療過程の完了時には、ほとんどすべての者に尿中一七-KSの四〇%前後の上昇がみられ、鍛錬前に正常水準を下回っていたものも、正常範囲内まで上昇していた。
 しかし、腎陽虚型の患者五例については、同じく体質に相当の変化があったにもかかわらず、十七-KS値に対してはほとんど有意な影響が現れなかった。
 尿中十七-KSは、副腎皮質ホルモンであるコルチゾンとアルドステロンの代謝産物である。気管支喘息に対する気功の治療効果は、副腎皮質と大いに関係があると考えられ、それは気功の鍛錬を行うことで副腎皮質部分の血流が増加することにより、機能が改善されるという機序によるものと思われる。しかがって副腎皮質の機能亢進と関連するであろう腎陽虚証の患者には、及ぼす影響も比較的小さいといえるのである。