気功の方法…気の練養④

(4)姿勢の鍛錬と要領
 練功の姿勢は多く。それぞれ独自の形をもち、それぞれ求められるものも異なる。しかし、つまるところ練功の目指す目的、つまり体質を強め、疾病を治療することであり、練功をうまく行うためであり、さらに身体内部の気血をうまく運行させるのに有利にするためである。そのため、守るべき共通の規律がある。たとえば『遵生八牋』では『心書』を引用して、「厚い坐布団に坐り、衣服、帯を緩め、姿勢を正し、口や歯を合わせ、舌を上顎に着け、目を微かに開き、常に鼻尖を見る」「厚い坐布団に坐るのは、体が疲れないようにするためであり、衣服、帯を緩めるのは、気が止まらなくするためである。姿勢を正し背骨を伸ばすのは、理を通じさせるて気を塞がないためである。口や歯を合わせ舌を上顎につけるのは重楼(咽喉)を狭くして、病気を取り除くためである。目を微かに開くのは黒土の下に坐らなくするためであり、これはまた昏病を取り除くためでもある」と書かれている。
 肺気は鼻に通じ、心気は舌に通じ、肝気は目に通じ、脾気は口に通じ、腎気は耳に通じるので、五官(鼻、舌、口、目、耳)は五臓と関連しており、この五臓の気を、古代の練功家は「五牙」とも称した。されに五臓と精神意識および思惟活動とは関連があり、「心は神を蔵し、肺は魄を蔵し、肝は魂を蔵し、脾は意を蔵し、腎は志を蔵する」。そのため、「目が視えないようにして魂は肝にある。耳が聞こえないようにして精は腎にある。舌は声を出さないようにして神は心にある。鼻が香りをかがないようにして魄は肺にある。四肢が動かないようにして意は脾にある。これを五気、元(みなもと)に朝(あつ)まる」という。このように「魂は肝にあるので眼より漏れず、魄は肺にあるので鼻より漏れず、神は心にあるので口より漏れず、精は腎にあるので耳より漏れず、意は脾にあり四肢、孔竅より漏れない、それゆえ無漏という」。つまり無漏によって神、魂、魄、意、志をそれぞれあるべき所に安定させることができるのである。要するに、姿勢を正しくすることのなかには、五官の処理をうまくすることも含まれており、そのことによって五臓を調和させ、精神状態を安定させることができる。また、練功の質を高めることができる。
 静功の姿勢に求められることは、全身を安定させ、内部をリラックスし、力みとだらけを防ぐことである。具体的にいえば、四要と二対をマスターすることである。
四要
❶塞兌垂簾…口を軽く合わせ、目を軽く閉じるが、わずかな光をもらす(つまり薄目を開けること)。
❷沈肩垂肘…両肩はゆったりし両肘は下に垂らす
❸松頸含胸…首はゆったり胸はやや丸める。
❹舒腰松腹…坐式では腰を伸ばし、側臥式では腰を丸め、腹部はリラックスさせる。
二対
❶鼻と臍の一対…正面から見て、鼻と臍が一直線になる
❷耳と肩の一対…側面から見て、耳と肩が向かい合う。
 古人は、坐るのは鐘のように、立つのは松のように、臥るのは弓のように、歩くのは風のようにあるべきであるといっている。この言葉の前三句は、姿勢をとるときの参考になる。