気功の方法…因是子静坐法②

(2)調息
静坐前の調息…平時のときには、鼻息の出入りに注意を払い、粗く浅くなってはいけない。喉、胸から次第に腹部に達するのがよい。

静坐時の調息…静坐しているとき、息が乱れたならば、心も安定しないので、必ず呼吸を極めて緩く軽くして、呼吸の長さを均等にしなければならない。数息法を用いてもよい。出る息を数えるかあるいは入る息を数えるかし、第一息から十息まで数えたらまた第一息から始める。もし十息まで数えないうちに別な事を考えたら中断して、また第一息より数える。反復練習し、長い期間かかって熟達すれば、自然な調息を行えるようになる。

静坐後の調息…静坐が終わったら、口を開き、息を吐き、体の中の温熱が冷め、平常の状態に回復してから、随意の動作を行うようにする。

(3)調心
静坐前の調心…平常の一挙一動、一言一句に心を配り、軽挙妄動を避けるように長く心がけると、自然に妄心を調伏できるようになる。

静坐時の調心…静坐のときに、二つの現象が現れる。一つは心が乱れ、静座が続けられないことであり、もう一つは、ぼんやりして居眠りしやすくなることである。初心者の大部分は、思い煩うごとに心が乱れ、練習が長引くと妄念は減るがぼんやりしやすくなる。心が散乱するのを治すには、一切放棄してとりあわず、一意専念し、下腹部に集中させると自然にゆっくりと安定してくる。ぼんやりする欠点を治すには、意念を持ち上げ鼻先に注意を払えば、精神がはっきりしてくる。数息法を用いてもよい、心息が互いに寄り合えば、散乱とぼんやりは避けられる。

静坐後の調心…静坐が終わってからも、いつも注意を払い、あれやこれやくだらぬことを思い巡らせてはいけない。
以上述べた、調身・調息・調心の三法は、実際上は同時に用いなければいけない。記述の便宜上、三節に分けて記述しただけである。
練功が相当程度までに達すると、丹田が湯が煮え立つように熱くなり微動したり、ひどく振動することもある。さらに熱気が尾骨のところの尾閭関に激しくぶつかり、尾閭関を通過してから上昇し夾脊関に至る。両関を通過してから根気よく努力を続ければ、玉枕関を衝き開ける。静坐するたびにこのような熱気が後ろから上に上がり、頭頂を巡って下り、顔面から鼻口に至り、二つに分かれて下り、のどで会合し、胸から丹田に下るようになる。
尾骶骨から上唇に至る気の経路を督脈といい、下唇から会陰に至るものを任脈という。母胎にいるときは任脈と督脈は通じているが、いったん母胎を離れると、上は口で中断し、下は肛門で中断する。そこで、練功することにより胎児の頃に戻り、任督両脈を通じさせるのである。この二つの脈のほかに、さらに腰をめぐる帯脈があり、練功が一定程度に達すると、気は腰のまわりを法則性をもって旋回する。たとえば左に三十六回旋回し、右に三十六回旋回するなどである。
任脈・督脈・帯脈にさらに衝脈・陰蹺脈・陽蹺脈・陰維脈・陽維脈を合わせたのが奇経八脈であるが、この八脈は普通の人は閉じて通じておらず、練功した人だけが通じることができる。八脈すべてが通じるようになる(大周天)と四方八方に通じ、全身の気血の流れは滞りなくなり、病気も発生しようがなくなってしまうのである。