気功の方法…類修要訣の小周天

明代の博学多才の胡文函煥には『類修要訣』の著書があるが、その中に小周天功法が含まれており、清初の汪昴が自著の『医方集解』勿薬元銓の中の写し集めている。嶈維喬は往年『因是子静座法』の中で、自己の静坐功法が『医方集解』の中のこの小周天の方法から始まったものであると述べている。
小周天の方法とは、まず妄念を止め、心身を澄み安定させ、東の向かってあぐらをかき(平坐でもよい)、呼吸を穏やかに保ち、三味印(拇指と薬指の指先を合わせ右手掌を左の手掌に重ねる)を結び、臍の下に置く。
叩歯を三十六回行い、精神を集中し、赤龍攪海を内外三十六遍行い(赤龍とは舌の意味であり、内外とは歯の内外を指す。つまり舌で歯の内外を舐めること)、両眼は舌に従って動かす。舌を上顎につける。
静心数息を三百六十周天して、神水(唾液)が満ちたら、津(唾液)で数遍漱ぎ、四字訣(撮・抵・閉・吸を念じながら、肛門をもちあげ、舌を上顎につけ、目を閉じて上をみ、鼻で吸い込み、吐き出してはならない)を用いて気を任脈から穀道(肛門)に通し、尾閭(尾骨のところ)に到達させ、意で気を運送するようにして、ゆっくりと来脊関を上らせ、しだいに速度をあげる。目を閉じ上をみるようにして、息を鼻で吸い込み、吐き出さず、それによって気を玉枕(後頭部の骨)にぶつけ、目は前方をこらし、まっすぐ頭頂にまでもっていったら転じ、折り返して舌に下ろし、唾液を分け喉に下げ、心に入れ、気海(坎宮丹田)にまで下ろす。やや落ち着いてから、前法を再び用いて、連続3回行う。口中の唾液は三回に分けて飲み干す。これが天河水の逆流という。
静坐しているときに、手で丹田を左右に百八回こすり、臍を抱え、手で下に置くときには衣服で臍のまわりを囲み風に当てないようにする。次に拇指の背を熱くなるまでこすり、目を十四遍こすり心火を去る。鼻を三十六回こすり肺を潤す。耳を十四遍こすり腎を補う。顔を十四遍こすり、脾を健やかにする。両手で耳をおおい鳴天鼓を行い、徐々に手を上に向ける。つまり、天に向かって手を押し上げる。これを三回行う。徐々に呵字を念じ、濁気を四~五回吐き出してから、清気を収める。双手で肩を抱き筋骨を数回伸ばしたり回したりして動かし、玉枕関を二四回こすり、腰眼のところを百八回こすり、足底の中心部を描く百八回こする。
小周天はもとは道教の内丹田の一部分であり、この方法を練功するときには必ず経験のある気功指導者から具体的な指導を受け実践することが大切です。

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