気功の方法…蘇東坡の養生訣①

北宋の文人蘇軾(西暦一〇三七~一一〇一年)は字を子瞻、東坡居士と号し、もともと吐納導引の術を好み、同時に自ら実践し、体得すること大であった。彼を道教の大小周天内丹術の基礎を定めた張伯端とは同時代であるが、張よりやや後れる。しかし、蘇東坡が逝世した頃には張伯端の内丹の専門書である『梧真篇』はまだ伝わってはいなかったので、蘇東坡は当時の鉛汞龍虎の説には言及していたが、まだその影響を深く受けるに至らなかった。蘇東坡が張安道に与えた手紙の中で紹介したこの養生訣は、閉目内視・納心丹田・調息漱津による静功練功法で、内丹術が流行する前に唐宋時代のすれを代表するものである。
毎日子の刻(夜の十一時~一時)後(三更から五更まででもよい)衣服を羽織って坐り(ベッドの上では布団にくるまっても坐ってもよい)、顔を東または南に向け、あぐらをかいて坐る。叩歯を三十六回行い、握固し、閉息する。握固とは、両方の親指をそれぞれの示指の横紋につけて握るか、四指全部で親指握るかし、両手で腰腹の間を支えること。閉息とは道家の要妙で、まず目を閉じ静慮し妄念を掃き消し、心源を澄切らせ、諸念をおこさず、出入りする息が調和がとれ均等で微細であることを自覚する。つまり、口と鼻を閉じ、気を出させないことである。