気功の方法…蘇東坡の養生訣②

五臓の内視
肺は白、肝は青、脾は黄、心は赤、腎は黒である(五臓図や仙人煙羅子の類を求めて、常に壁に掛けて、心中で五臓六腑の形状を吟味する)。次に心は炎火であり、光明がすみずみまで照らし出し、丹田(丹田の臍下にある)の中に入ると想像する。腹に吸い込んだ気が十分に満ちたら、ゆっくり気(音が耳に聞こえてはならない)を吐き出し、吐き出す息の調和がとれてから、舌で唇歯の内外を撹乱し、津液(そし鼻汁が出るなら鼻汁も漱ぐ練習をすべきであり、その塩っぽさを嫌がらず、長く練習すれば自然に甘く感じるようになる。これが真気である)を漱ぐが、まだ飲み下してはいけない。再び前法を行う。閉息内視、納心丹田、調息漱津すべて前法による。このようにして三回行い、津液が口いっぱいになったら、頭を垂れて飲み下し、気によって丹田の中に送り込むが、必ず用意によって激しく行い、津液と気をクックッと声を出して、ただちに丹田に入れる。さらに前法によりこれを行うが、閉息九回、咽津を三回行ってから止める。それから左手で両足底の中心部(湧泉穴のところ。湧泉穴は頂門まで気をつき通すツボであり、これこそ気功法の妙というべきものである)および臍下、腰椎などを熱くなるまでこする。十分熱くなったら(ゆっくりこすり、やや汗ばむのはよいが、息をハーハーさせてはいけない)、次に両手で眼・顔・耳・項を摩擦して温める。十分熱くなったら鼻の両脇を五回から七回押す。次に頭を百回余り梳り、ざんばら髪にして横になり夜明けまでぐっすり寝る。
蘇東坡はこの方法を実践した体験を次のように記している「その効きめは初めのころははっきり自覚できないが、百日あまり続けると、効果は量ることができないほど素晴らしく、服薬に比べて、その効きめは百倍である」「上のその方法は簡易ではあるが、長期間にわたって続け中途で止めなければ、優れた効果がある。ちなみに二十日間試みると、精神自体も異なり、臍下の実熱を自覚でき、足腰は軽快で、目には光があり、顔にはツヤが出てくる。この状態が長く続いて終わることがない」。

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