気功…さまざまな動功整体⑤

第14節天竺按摩法

唐の孫思邈の『備急千金要方』に「天竺国按摩法。これは婆羅門法であり、経十八勢から成る」と記述されている。この一連の功法の中には、洗手法、拓石法、開胸法、虎視法などと、はっきり功法名を注記してあるものがある。それらは動作の形態を指したり、作用を意味していたりする。このような通俗的な名称を用いるケースは、唐以前の古代気功文献にはあまり見受けられない。
中国古代では印度を天竺と呼んでいたが、この功法が印度伝来のものであるかだうかは、今もって疑問が残る。たとえば、なかに「弓を引く姿勢」のように、『養性延命録』の中に「導引按摩」部分の動作から形を変えて抜き出してきた可能性のある動作もある。宋の張君房の『雲笈七籤』にもこの功法は載録されている。
孫思邈が言っているように、この功法は「毎週三遍この功法をしっかり行えば、一月にして病は除かれる。さらに行えば、奔馬のごとくすばやくなり、寿命を延ばす効果があり、食を増し、眼は明らかに、動きは軽快に、疲れを知らない身体となる」という効果がある。按摩を主体としてはいるが、病気を治し身体を強化するという、実は鍛錬を目的とした動作だということがわかる。

第15節老子按摩法

これは老子の名に仮託して命名された動功である。按摩と名づけられているが、実際には動作を主としている鍛錬法である。初見されるのは、唐の孫思邈の『備急千金要方』の中にある。後になると、明の高濂の『遵生八牋』にもみえる。ただ高濂本では「太上混元按摩法」と名称が改められている。動作数は多い方だが、複雑ではないため、一般向きの保健のためには役立つものである。ただ、効果が説明されていないことが惜しまれる。