西洋・東洋医学の違い
東洋医学と西洋医学は、独自の診断法と治療法を持ちますが、それは身体を見る視点の違いから生まれます。西洋医学は、解剖学や生理学などの科学的な見地から人体を捉えます。人体の器官や組織、血液やリンパ液などに細分化し、病巣を局所的に分析します。体内に進入した細菌やウイルス、病理部位を排除することに主眼をおき、治療していきます。検査にあらわれない異常は病気と見なさず、不調を訴えても治療が行われないことも起こります。
一方、東洋医学は人体を全身が関連する一つの有機体として捉えます。身体に問題があれば、局所的な問題か、全身のバランスの乱れが原因かという複眼的な視点により、病因を追求します。
検査では異常があらわれない不定愁訴でも、自己治癒能力を高めることで改善ができるという考えが基本となっています。複眼的な視点で病気を見つめ、それぞれの人の症状に合わせたオーダーメイド治療ができるのが、東洋医学のメリットです。
東洋医学では、人体を構成する最小単位である気・血・津液、五臓六腑といわれる器官などがそれぞれ連結し合い、生命として全体をなす有機体として考えます。そのため、病巣部の直接的な治療だけでなく、病巣と関連したほかの部位の治療、また全身のバランスの調節など、複合的な治療が可能となります。
例えば、目の疲労という症状に対し、眼精疲労に効くツボを癒すという同時に目に関連した肝のツボにも行います。また気と血のバランスを整え、全身の調整も行います。
東洋医学の治療は、鍼灸と漢方薬による治療が代表的なものです。
その中でも推拿、気功は一番古くて新しい療法なのです。