東洋医学.14

六腑の働き 2

③六腑変調による不調 <大腸・膀胱・三焦>
 大腸は、小腸から送られた糟粕から、余分な水分を再吸収し、糞便に変えて排泄させます。これを伝導作用というが、肺の粛降作用の助けを必要とするため、肺気の減退は大腸の働きにも影響を与え、伝導作用の失調は痢疾(急性の細菌性腸疾患)や下痢などを生じさせ、または熱邪により体内も水分が干上がり、津液不足を生じると、大腸内が乾燥し便秘などの症状があらわれます。
 膀胱は貯尿と排尿をつかさどり、津液は肺・脾・腎・三焦の作用によって全身に散布された後、膀胱に達します。さらに腎と膀胱の気化作用にいぇって、尿となり、体外に排泄されます。この膀胱の気化作用が失調すると、尿量減少、癃閉(尿閉)などの排尿困難・障害が現れ、また、尿を膀胱にためておく制約機能が低下すると、頻尿や失禁が生じることになります。
 三焦は津液と気の通り道であり、これらの運行をにないます。水液代謝は肺・脾・腎・腸・膀胱など、多くの臓腑による共同作業であるが、三焦の水道が不通になると、水液の輸送や散布、コントロール機能にも影響及び、そのため、水液が滞って尿量減少やむくみといった症状が現れます。
④六腑の不調と五臓の関係
 臓と腑は表裏関係で捉えられており、腑は表に、臓は裏に属し、陽は表を、陰は裏をつかさどります。一つの腑(陽、表)には、一つの臓(陰、裏)が配当されているため、一対の臓腑は表裏関係にあるとされています。各経絡もそれぞれの臓腑に帰属しており、該当する各経絡も表裏関係となります。
 心=小腸 肺=大腸 脾=胃 肝=胆 腎=膀胱 三焦

2024年4月
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