東洋医学.22

弁証論治とは.2

③弁証方法の選び方
 東洋医学では、長年培ってきた臨床経験から、証を立てるためのいくつかの弁証方法が確立されてきました。八綱弁証、六淫弁証、気血津液弁証、臓腑弁証、経絡弁証、六経弁証、三陰三陽弁証などです。各弁証方法は、異なる視点から病証を分析するもので、それぞれ孤立したものではなく、相互に関連し、重なり合う部分も持っています。陰陽論に基づいた視点から病証の全体を把握するのが八綱弁証で、その他の弁証の基礎になります。八綱弁証を行い、病気の場所、疾病の性質・正邪の盛衰などを広い視野から判定したうえで、次に気血の状態や臓腑・経絡の機能異常などを診ます。そして気や血の機能不足や流通障害があれば気血津液弁証を、臓腑の機能失調があれば臓腑弁証と視点を変えてそれぞれの弁証方法の視野から症状を眺め、適切な判断を下せば、四診による情報も効率的に行えます。
④四診<証を決めるための診察>
 東洋医学の診察では、証を立てるために望診、聞診、問診、切診の四つの診察法からなる四診を行います。四診では患者の自覚症状を重視し、体質や状態、疾病の性質を広く深く知るため、現時点では関係のないような情報も収集します。四つの診察法にはそれぞれ固有の役割があるが、臨床では必ず四診によって得た結果を有機的に結びつけて証をたてます。これを四診合参といいます。

2024年4月
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