東洋医学.24

八綱弁証で証を.2

③寒熱の証
 寒熱は疾病の性質を寒と熱に区分したものです。寒証と熱証は、身体の陰陽状態を表したもので、陰陽バランスが崩れると生じます。陰盛(陰が強い)または陽虚(陽が弱い)は寒証として、陽盛または陰虚は熱証としてあらわれます。
 寒証は、陰盛陽虚のほか、寒邪を受けたときに表れる証候で、手足が冷たく、いつも寒さを感じているような状態になります。寒証には、表寒、裏寒、虚寒、実寒があります。また熱証は、陽盛陰虚のために身体の機能活動が亢進したり、熱邪を感受したりすると表れる証候で、熱さを感じ、冷房や冷たい飲み物を欲するようになります。熱証は、表熱、裏熱、虚熱、実熱があります。
 寒熱を臨床で用いる際には、寒熱と表裏を関連させ、疾病が表寒・表熱・裏寒・裏熱のどれに属するかを分析します。たとえば表寒証は寒邪が肌表を襲ったために表れる悪寒、発熱、頭痛などの症状、裏熱証は熱邪が臓腑に直中(直接入り込む)して、裏熱が盛んになって出る証候などを指します。その際には熱が出て顔が紅潮したり、落ち着きがなくなったり、腸の津液が損傷されて便秘になったりします。
 症状を治療(薬の処方)する際には、寒証の場合は温めて寒邪を散ずる温散寒邪、熱証の場合は熱や火邪を除く清熱養陰などの処方をします。
④虚証と実証
 虚実は、病気の過程における正邪の盛衰状態を診る項目です。身体における正気と邪気の闘争の状況を反映します。正気が不足していれば虚証が、邪気が盛んであれば実証が現れます。
 虚証は陰・陽・血・津液・臓腑がそれぞれ弱まった虚損(疲労しやすく体力が衰えた状態)で、疾病の後期や慢性病証に見られます。気が足りなければ気虚、陽気が足りなければ陽虚となります。それに対し実証は、外邪の感受や瘀血・痰といった体内の病理産物によっておこる病理的な状態の総称のことです。
 外邪が体内に侵入して邪気が強くなれば実寒、外邪が裏まで入り込み、熱をもてば実熱となります。実証は六淫による疾病の初~中期、および痰、飲食、水、血などの停滞による病症に多く見られます。
 虚実も臨床の際には、表裏寒熱と関連させて考えます。例えば虚寒証は体内の陽気が虚しておこる証候で、精神不振、四肢の冷え、腹痛、脱力感などをもたらします。また実熱証の場合は、裏熱証と同じく、身熱、煩躁、多言などの症状が表れます。

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