整体と気功と言霊の原理.34

遠藤喨及の指圧法…経絡指圧法.9
内向した気の歪みに対して
 気の世界にはいろいろな深さがあり、次の段階に進むごとに、まったく異なる世界が開かれていきます。
 より深い段階の気の世界に至れば、それまでには見えなかったものが見えてきます。そして、実際にその段階に至らないと、その世界は見えないし想像することもできない。それが存在することすら分からないのです。
 気の世界は、純粋体験によってのみ把握されます。したがって、理論や知識は役に立ちません。
 現代は、人類の転換期でもあるので、人々の気の歪みの状態も刻々と変っています。いわば時代の大きな変わり目です。虚が深く深く内向していく時代です。

第一ステージ…ツボを見つける
 最初から気が見えるというわけではありません。しかし、“受け手が圧してほしがっている点を想像する”という、ツボ指圧の第一歩をはじめた時から、気の世界の扉は開かれる。
 この第一のステージは、最初は肉体しか見えなかったのが、自分の共感と想像によってツボを感じ、これを見つけることができるようになるのです。術者は自分の想像という主観によって、これと一致した、客観的に存在する受療者のツボの位置を捉えるのです。
 また、ツボの位置だけでなく、ツボの大きさや深さなども感じとれるようになってきます。さらに、そのツボの底が上がってきて術者の指圧を圧し返してくることや、指圧治療によってツボが消滅したことも分かるようになります。
 ただ、この時点では、主観と客観が完全に一致しているわけでないので、気が見えてはいない。心はその準備段階にあってスタンバイしています。
 このステージでは、結果を少しも求めず、ただひたすらツボを見つけ、これに気を合わせて指圧していく態度が必要です。なぜなら、ひたすら無心で行うという気持ちが、自己の感覚を消失して無我になることにつながるからです。そして、それこそが「気が見える」ようになるためには不可欠な心境なのです。

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