整体と気功と言霊の原理.46

遠藤喨及の『気の経絡指圧』…「タオ指圧」.6
気が通る圧し方

 ツボを圧すの先だって、肘の角度を調節しなくてはならない。
 まず、ツボは筋力を使って圧してはいけない。筋力を使うと、「気」ではなく自我意識の為せるわざになってしまう。そうなると物理的に圧すことになる。それでは、受け手の経絡は感応しない。
 気が通るような圧し方をするには、「肘を伸ばすこと」によって」圧すことである。自我を介在せず、気が通るような圧し方はそれしかない。
 となると、まず拇指(親指)をツボにあて、ついで肘の角度を調整しなければならない。それは、次のように行われる。
 まず拇指をツボにあてる。この時、肘は完全にゆるませておく。そうして、ゆっくりと自分の上体を伸ばしていく。
 そして、やがて受け手が、あたかも自分が何かに包まれているような安堵感を感じる位置を見つける。それが術者の取るべき肘の角度となる。
 これを行う時に大切なことは、術者の気持ちである。すなわち共感的想像と内観の心を維持しなければならない。
 このとき、気の世界で、術者と受け手との間で、二つの「気のからだ」が一体となった状態になっているのです。
 肘の角度を調整するのは、以上のような理由からです。しかし、術者が受け手への共感的想像に熟練してくれば、この調整は必要なくなります。

ツボの中にツボが!?

 一度、ツボから指を離し、ふたたびツボを拇指をあてる。この一つのツボの中には、またさらに十数個のツボがある。さらに、その十数個のツボの中にもまた、それぞれ複数のツボがあるのである。
 そしてツボは、奥のツボへ行けば行くほど、より広い気の世界に通じている。
 だから、一度ツボからあてていた拇指を離し、その直径一~三ミリのツボを観て、さらに、その中でもっとも圧してほしがっているツボを想像(イメージ)する。すると自然に、より深いツボを取ることができる。
 加えて、術者が共感的態度を取らないと、ツボが開かないということもある。だから、圧す前に、こうして(二段構えの手続きで)ツボに心を開いてもらうという意味もある。
「経絡の底」に気を届かせる
 術者が「あくまでも受け手の人のため」にというツボ施術を行うのであれば、必ずそのツボは、「虚の底」へ届く。
 しかし、動機が自分のためであるという場合には、請け合えない。なぜなら、相手のためを思っている場合は、治療的な気が出るが、そうでない場合は、治療的な気が引っ込むからである。気の世界は、どこまでも「心」を抜きにはできないのです。
邪気が解放される!
 あなたの感受性が、気に対して敏感になっていれば、その瞬間から、何かが拇指をくすぐっているような感触を覚えるはずです。経絡の底が感応しているのである。そして、約二秒後には、底それ自体が上がってきて、二ミリほど、拇指の下の体表を押し返してくるのがわかる。
 そこで術者は、「底」が押し返してくるのに合わせて、肘をゆるませなければならない。それによって、受け手の邪気が解放されるからである。