整体と気功と言霊の原理.49

遠藤喨及の『気の経絡指圧』…「タオ指圧」.9
別次元の経絡「超脈」

 ではここで、経絡認識の実践に入ろう。初伝の教室において学ぶのは、まず「超脈」の認識である。超脈とは、これまでの東洋医学では説かれることがなかった、従来の経絡とは別次元の経絡である。
 通常の十二経絡は、深さ約二メートルほどの「気のからだ」にその実体がある。しかし、超脈の本体はそれをも超えて、約七メートルの深さにある。そして、超脈は、「かくも深いがゆえに表層にあって、触覚的にも確認することができる」という、逆説的な存在である。
超脈に触れてみる
 ためしに、前腕外側にある太超脈の主経絡を確認してみよう。超脈図による、およその位置としては、前腕外側の中央より、やや外側だ。この基礎知識を土台として、心の中で、利他心、意念、共感、内観のプロセスを追った上で、まず中指を、自分の心に映ったツボの位置にあてる。
 次にふたたび、その超脈に念を集中(意念)し、受け手がどう感じているかを想像(共感)しながら、そのスジを前後にグリグリと動かしてみよう。
 もし術者が、いま述べたような意念と共感を持って、中指で超脈を動かすなら、受け手の経絡(この場合は、超脈)は、それに感応する。したがって受け手もまた、その超脈に触れられているのを実感する。

邪気にアクセス

 ツボの中でも、特に効くツボ。言ってみれば、それが超特穴。正式には、「超脈上の特定穴」という。全部で十八点ある。
 なぜ超特穴が、特に効くのか?それは、より直接的に、「邪気」にアクセスすることができるツボだから。
 心身に症状が表れるのは、邪気が経絡虚実のアンバランス(気の過不足)を生むからだ。
 そして一般に西洋医学は、症状を押さえこむことをもって治療とする。また古典的な東洋医学は、虚実の歪みを正すことがその眼目だ。
十八の超特穴とそれぞれの技法
①超特穴の図(図9)を見て、まずおおよその位置を頭に入れる。そしてその位置の、直径の、直径五センチ周囲の範囲内のどこかに、超特穴があると想定する。
 それから、ツボ治療の時と同じように、「その範囲の中で、受け手がもっとも圧してほしがっている点」を想像する。それによって捉えたツボを、先に述べた「ツボ技法の五行」に従って治療する。
②そのツボを治療したら、ふたたび「その範囲の中で、受け手がもっとお圧してほしがっている点」を想像して、治療する(これを繰り返す)。
 初心者が、最初の一点目から「ズバリ超特穴にあたる」ことは、まずないだろう。そこで、②を繰り返し行い、一点一点治療していく。
 すると、最初の想定した範囲さえ間違っていなければ、三点目から五点目くらいまでには、やがて超特穴にあたる。
 超特穴にあたると、「ウウッ、キクー!」というくらい強い響きがある。
 大前提として、ツボは治療すると消失するものだ、ということをご理解いただきたい。
 したがって、ある範囲内でツボを取って治療していくと、やがて、その範囲内におけるツボはすべて消失する。
 ツボが消失したということは、つまり、それだけ邪気が解放されたということ。
「証診断」で民間療法の域を出る
図9は直接遠藤喨及の『気の経絡指圧』をお読みいただき確認してください。

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