整体と気功と言霊の原理.59

按摩・マッサージ・指圧の手技療法
①日本における按摩・導引術の変遷
大宝律令の医疾令『医心方』
 現存する日本最古の漢方医書は、平安中期の永観二年(九八四)、医学を世襲とする丹波康頼が、円融天皇に秦進するために選録した『医心方』三十巻である。『医心方』は、主として隋・唐時代の単元方の『諸病源候論』五十巻(六一〇)に基づいて書かれたものと言われている。『諸病源候論』は諸種の疾病の原因、症候、病名について論じたもので、薬物療法にはいっさい触れていない。そして治病技術として導引法約三百例が記載されていたという。これは明らかに道教の影響である。この書の元のものは本家の中国では失われてしまったが、かえってその一部を日本の『医心方』にみることができるのである。

貝原益軒の『養生訓』
 この書は日本人の著した養生法の代表作である。『養生訓』は、古来日本に伝わった和漢医学の源流を見ることができる。現在氾濫している食餌法の健康書のほとんどが『養生訓』を種本としている。
按摩と導引

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